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翌朝
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あの後、空き部屋に案内され、そこで一夜を過ごした。
空き部屋とはいえども流石は国王の城といったところか、豪華絢爛、とても煌びやかな部屋であった。
今日は明け方から快晴なようで木漏れ日がカーテンを抜けて部屋まで射し込んでくる。
「ん…朝…か」
その眩しさに俺は目を覚ました。
柔らかいベッドで寝るのは幾分か久しぶりだったせいか、寧ろ体が痛くなったように感じる。つくづく自らの貧乏性に呆れるが、それはそれとして…
ゴソゴソ…
布団の中に何かいる。
手のひらより少し大きいくらいのサイズの何かが中を這っているようだ。
躊躇うことなく、勢いよく布団を剥ぐ。
「えっ…」
子猫だ。
真っ白のまだ幼い、ふわふわとした毛の。
「猫…?」
「にゃーぁ」
猫だ。なんでこんなところに。
「お前、よく城の中に入れたなぁ…」
ん?よく見ると額に紋章のようなものがある。
何処かで見たことあるような…
「人変幻の……?」
「せーかーい!!!」
「うわっ!!…っ」
いきなり猫が喋ったと思ったらそこにいたのは白髪の少年だった。
可愛らしく白い尾をくねらせて、俺の上に乗っている。
端から見ればなかなかの構図なのではないか。
「よく気づいたね〜!君が初めてだよ!僕の術、初見で気づいたの!」
「…まぁ、魔術系は少し嗜みがあるからな…」
「えらいえらい!」
「でも…なんでこんなところにいるんだ?」
「ご主人に新しい護衛が付くっていうから、先輩直々に様子見に来てやったんだよ!そしたら気持ちよくって寝ちゃってた!」
「ご主人…って、レインのことか?」
「うん!」
「そうか…今までお前が守ってたんだな。ありがとう。で、先輩?俺は合格か?」
「んー、まぁとりあえず及第点ってところにゃっ!」
「そっか。頑張るよ」
「精々頑張りたまえ!」
俺は可愛らしい、小さな護衛と出会った。
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