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中学の俺とあなた 影山side
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及川さんに近付きたい……
二人には頑張ってみるって言ったけど、
でも……怖い
だってまた冷たい顔であっち行け何て言われたらと思うと、すごいショックですごい怖い……
それでもやっぱり傍に行きたくて、及川さんも俺のことを好きだという可能性が少しでもあるのなら……
勇気を出さなくちゃな。
俺はいつものようにボールを持ち、恐る恐る及川さんに近付いた。
「あ、あの及川さん!
サーブのコツを教えてください!!」
また怖い顔をされる!
そう、思っていたけど……
及川さんは眉間にシワを寄せながら、何故か眉を下げて辛そうな顔をしていた。
「及川、さん……?」
「嫌だよ、バーカ……」
突き放すような冷たい言葉だけど、何故そんな悲しそうな顔と声なんだ?
こっちまで、悲しくなる。
あなたのそんな辛そうな顔、見たくなかった……
まだ怒った顔の方がましだと思った。
及川さんをそんな顔にさせてしまう俺なんかが、彼の傍に行かない方が良いんじゃないだろうか?
そう思った…… でも
やっぱりまた笑ってほしくて、笑顔が見たくて……
好きになってほしくて……
ごめんなさい及川さん
こんな自分勝手な、我が儘な後輩でごめんなさい。
「及川さん、サーブ教えてください」
「だから、嫌だって言ってるでしょ?
他の人に教えてもらえば?」
「いや俺は、あなたにどうしても教えてほしいんです!
お願いします!!」
真っ直ぐ彼を見つめて懇願する。
あなたに近付きたい、もっともっと近付きたいんです及川さん……
こんな俺に、あなたは何て言うんだろう?
やっぱり突き放す言葉なのだろうか。
緊張した……喉がからからに渇いていくのが分かった。
「嫌だよ、バーーカ」
やっぱり彼はOKしてくれなかった。
でも……必死に懇願した俺に、及川さんは
少しホッとしたように、
小さく笑ってくれた気がした……
気のせいかもしれない……
それでも、笑ってくれた気がしたんだ!
それがすごくすごく嬉しかった。
あぁ……俺はやっぱりあなたの笑った顔が好きだ
諦めなかったら、
また笑いかけてくれますか?
少しでも俺を好きになってくれますか?
及川さん、及川さん……
俺は、どんなに嫌がられても、怖い顔されても、
ずっとずっと、見つめていたい
また明日も
あなたに会いに行く……
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