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ーーコンコン。
「失礼致します」
『……』
動かなかったら強制的に引っ張られた。
メイドさん力強い。
『…どうも』
恐る恐る一歩を踏み出すと、シン以外の4人が固まった。
そして、皆笑い始めた。
しかも、クスクス笑うの。一番腹立つヤツ!
意味がわからずポカーンとしていると、
「ごめんごめん。Aに新入生が来るって言ったからどんな奴だってピリピリしてたんだ」
と茶髪の長身が椅子を引いてくれた。チャラそうだけど、いい奴なのかな。
「そしたら思ったより小さくて…プッ、ククク…ごめ、ちょ、フフ」
前言撤回。腹立つヤツ。
改めて周りを見渡す。
壁には高級そうな油絵が飾られていて、ここは中世のヨーロッパか!って感じの長ーいテーブルがあって…あれだよ、端っこと端っこのお誕生日席に座って食事するやつ。
そこには5人座っていた。
騎士みたいな服を着ているシン。優しい笑みでこっちをずっと見ている。ちょっと怖いかな…あはは…
これまた騎士みたいな服を着た眼鏡さん。♂
紅茶の飲み方がスマートでかっこいい。優しそうだな。さっき笑ってたけど。もういい、エレガントボーイって呼ぶから←
またまた騎士っぽい服を着たクールそうな人。♂
片目隠れてるしカッコつけかと思ったら、さっき一瞬もう片方の目が見えたんだけど。オッドアイだった。隠してるのかな?
さっき椅子を引いてくれたけど、性格悪かった茶髪さん。♂
因みに、騎士みたいな服を着ている。
ニコニコしてるけど、そういう人に限って暗い過去があったりするんだよね。
頬杖をついてる王様っぽい雰囲気があるキングさん。♂
やはり騎士みたいな服を着ている。
うん、これはイケメンだわ。見惚れるわ。てか女ならすぐ惚れるんじゃね?ってほどかっこいい。
男だらけ。
ーーそしてここは中世のヨーロッパかどっかですか?(2回目)
.
どうやらここは日本じゃないらしい。裏世界っていうんだって。
そして今日一番驚いたこと。
ーーおじさん王様なんだって!!!
あのおじさんが王様とか世も末だよね。あは。
それは置いといて、Aはこの国を守るために召集されてるんだって。
こっちの世界では魔物とかモンスターとかがうじゃうじゃいるらしいです。はい、理解が追いつかない。
シン(本名忘れた)は前にも聞いたけど、火が自由自在に操れるから赤の剣士って言われてるらしい。
眼鏡さんはアルバートって名前で(アルって呼ばれてるらしい)、風が自由自在に操れるから緑の銃士って言われてるらしい。
クールそうな人はノアって名前で、水とか氷が自由自在に操れるから青の魔導士って言われてるらしい。
茶髪さんはエルマーって名前で(エルって呼ばれてるらしい)、雷っていうか電気?を自由自在に操れるから黄の槍士って言われてるらしい。
キングさんことルイさんは(本名めっちゃ長いらしい)、なんかよく分かんないけど、闇の魔術??みたいなのが使えるらしい。黒い精霊的な獣的なのが出てくるから黒の召喚士って言われてるらしい。
あ、そういえばルイ様ってこの人なんだ。
「それで?」
『ん?』
「お前の能力は?」
ルイさんが喋ったと思ったら尋問っていうね。怖いわぁ。
『分かりません…』
「分からない?
なら調べればいいだろ」
…調べれるんかい!
.
連れてこられた先は研究室。俺の能力に興味を持ったのか5人とも付いてきた。
っていうかね、この5人はずっと一緒にいるからいいけどさ、俺はいきなりポイッて入れられたんだからね!?…手の震え止まんないし。
「これに手を乗せろ」
出てきたのは占いとかでよく見る水晶。ちょっと興味があるけど平常心で手を乗せた。
「目を閉じろ」
命令口調なのが腹立つがまあいい。
「血の流れを感じるんだ」
「何も考えるな」
「…よし、全ての力を手に集中させろ」
『え、なに?』
『…もう目開けていいの??』
返事が無い。
無言は肯定だとおじさんが言ってたから目を開ける。
まず飛び込んできたのはすっごい光だった。
眩しい。
ていうか、この光って俺が出してるの?何属性なんだろう。
ピキピキと何かに亀裂が入る音がしたが、誰も手を離せとか言わなかったからそのまま続けたら
割れた。
破片があちらこちらに飛び、その一つが俺の頬を掠った。
光は静かに消えた。
「悠!」
一番に寄って来たのはシンで、へたり込んだ俺を優しく横抱きした。
「怪我してる」
続いて意外にもノアさん。
傍観するように後の3人も覗いている。
『こんなのすぐ治るよ』
手で触ると、傷は跡形なく消えた。
「お前…手のひらに模様みたいなものがないか?」
『え、ありますけど…?』
すると、確信したようにルイさんは言った。
「悠、お前の属性は白だ」
「!?」
「白…」
「…」
『???』
いや、白って何。
「簡単に言うと回復だ」
…やっぱりこの人勝手に心読んでるよね。
「白はとっても貴重だ。最後の一人が16年前の4月2日に死んだから今はお前一人しかいないということになる」
うん。話のスケールでかいな。てか、
『その日、誕生日だ』
いやあ、偶然って重なるもんだなぁ。
「しかし、厄介ですね…」
『?』
「貴方は世界から狙われるかもしれません」
あー…もう、頭がパンクしそう。
おじさん呪ってやる←
アルバートさんがそういう理由は三つあって、
・世界に一人しかいない白だから(回復とかいっぱいいると思ってた)
・白は主に外傷を治療するが、病気とかも治せないことはないから(命を削るらしい)
・普通の能力者は自分の意思じゃないと発動できないが、白の能力者だけは触れるだけで発動するから
らしい。
…ちょっと荷が重いかな、なんて。
「でも、安心しな」
「悠は、俺らが絶対守ってやるから」
『え、おう。ありがとう』
安心だわ。こいつら強そうだもん。
へらっと笑うと一瞬皆固まったが、メイドが入ってきたおかげで場が収まった。
確かにずっとヘラヘラしてるけど、俺だってちゃんと笑うんだぞ。
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