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「は?あっあんたらカラーギャングなの?」
白タオル男が持ってきたお茶を僕は一気に飲み干してテーブルに叩きつけた。
カラーギャングとは。
チームカラーと呼ばれる色で識別することでグループ意識を高め、仲間意識の結束を図るギャングである。
簡単に言うと、青をシンボルにするチームは、体のどこかにチームの象徴の色を身につけ、ブルーチームであると認識させるのである。
坊主頭のシャツが赤いのは、この建物にいるボスを意味するの色が赤だということで。
赤、と不良と言われれば不穏なイメージしか浮かばない。
深紅の液体を振り散らし、赤いシャツを更に赤く染め、狂喜に狂った赤鬼が僕の想像を占め、ますます足を震えさせた。
そっけない返答に、僕の嫌な予感は倍増する。
あからさまに厳つい風貌をした男たち。廃れたビル。白タオルにさんづけする処から伺うと、ボス的存在がいるグループ。
確かにカラーギャングという例にされそうなほど雰囲気はあると思っていた。
まさかその通りだとは。そしてこの目の前で熱い茶に顔をしかめている男が一団を率いるボスだとは到底思えない。白タオルのほうがまだリーダーをやれそうだ。
「そう。一応ボスはらせてもらってる」
「マジかよ!こんな変態がか?」
「それを言われると何も言えない」
白タオルは苦々しげに顔をそらす。フォローしようとは思っていないのか、できないと判断したのだろうか。
「安心しろ。俺はお前しか見てないから」
「どうして急にんなこと言い出すんだ!?脈絡って言葉知ってる?」
「それでひとつ相談がある」
「だから人の話聞けって!」
リョウヤのペースに引きずられ、僕は疲弊しきっていた。とにかく家に帰って眠りたい。
僕は軽い頭痛にみまわれながら、リョウヤの話を聞いてやることにした。それしか選択肢は残されてないし、聞かなければ永遠に家に帰れないような気さえしてくる。
「ここで俺と一緒に住もう」
「却下」
どっちにしろ帰れない運命にあるようだ。
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