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さすが三巴学園ともいうべきか図書室は校内の一施設というには広く、上の方の棚は梯子がないと届かないほどに高い位置まで並べられている
本で囲まれた空間に一琉が興奮しないわけがなくふらふらと何処かへ行こうとするので刻景は首根っこを掴んで目的のコーナーへ連れていった
人間が別種を知るために書かれた本は数多く、どこの学校でも必ずコーナーが設けられているけど三巴学園は純種や混種が多く通ってることもありどれを読めばいいか迷うほどに数が多い
六花と刻景は本棚から吸血鬼に関して書かれた本を見つけその中から良さげなものを選びいくつか手に取る
「さすが吸血鬼は数が多いな…あ、一琉、そっちの棚は別種の存在が認可される前の本だから読むなら今度にしとけ」
刻景は一琉が持っている本を取り上げて棚に戻す
「でも割と当たってたんだよなー情報流してた別種がいたとか、書いてた本人が人間じゃなかったりとかあったんだろーなー…一時期ファンタジー小説の一部は純種が書いたノンフィクション説とかあったりな、ちょっとおもしろかったよなー……一琉、これ借りて帰るか?」
「ううん、会長…自分が吸血鬼なんあんまり言いたくないっていってたから、こういう本を部屋で見つけたら嫌やと思うん、だからここで読む」
それに読めない漢字があったりよくわからない文章があった場合2人がいてくれると助かる、2人は了解と言うと一琉を目の前にあった読書コーナーに座らせて吸血鬼に関する本を積み上げた
一琉はお礼を言って早速本をまくる、声をかけられるまで構わずにいようと六花と刻景は一琉に背を向けて本棚を眺める
「やっぱり混種に関しての本は少ないんだなー刻景の家にもほとんどないよな」
「混種は個体差が大きいからな、まとめようがないし今じゃ書こうとする人も少ないからな」
「…?そうなん?なんでー?」
2人の会話が気になったのか、もともと集中力の乏しい一琉が本から目をそらして刻景の服をくいくいと引っ張る。
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