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好きなんです
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「そんな僕が嫌いなカナコちゃんは、僕に何の用?」
カナコちゃんはあからさまに嫌そうな顔をした。
「私、本当は、荒木さん何かに話しかけたくないんですよ。後で、女子に変なこと言われるし。そうなると面倒だし」
本当に嫌そうなカナコちゃん。
うちのサークルにはいなさそうなタイプ。
特に女の子で、こういう子が少ない。
サークル内で上手くやれているのかが心配だ。
「あ、でも安心してください。私、割りとサークル内で女子ウケいいんで」
「うん」
確かにこういうサバサバしたタイプは逆に女子から好かれそう。
見ている限り、カナコちゃんの周りには必ず女子がいる。
「でも、別に私はその子達と話してないんですよ」
「どういうこと?」
「私、別に大勢といるのが好きなわけではないので」
なぜ、自分の周りに女子が集まってくるか分からないけど、嫌って程ではないが、その状況を好ましいとは思えない。
カナコちゃんは、そう続けた。
不思議な女の子だ。
「だから、今のこの状況は嫌いじゃないです」
「僕と一緒だけど?」
「いや、私、荒木さん別に好きじゃないから、いてもいなくても一緒です」
「なんか、遠慮なくなってきたね、カナコちゃん」
ツーンとしているカナコちゃんが、少し笑った。
「荒木さんは、意外と楽な人ですね。もっと手こずるかと思いました」
「……どういうこと?」
「いや、女の子たらしめてるから、相当面倒くさい人だと思ってたから。でも、良かった。あれですね、荒木さんはいまどき珍しい、普通に優しい人なんですね、きっと」
僕、この子に何かしたっけ…?
「私、永沢くんが好きなんです」
へ?
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