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夏の章三 夏ぐれ
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朝から、暑い日だった。
太陽は、絶えずアスファルトを焦がし、人々の体力を奪っていった。
陽が傾き始めても、身体を纏う熱気は衰えず、じわじわと責め立てる。
建物から出てきた二人に、会話はなかった。
建物──保健施設の中にいた時間は、それほど長くはなかったが、可児にとっては永遠に感じられるほど長かった。それは今でも続いている。
横で遊命が話しかけていたが、どう答えたかも可児には記憶がなかった。
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