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それはいつも着ているガウンより薄手で涼しげに見える。
ほどよくのりの効いたパリッとした布地があなたの凛々しさを引き立てているようで、僕はぼぅっとつっ立ったまましばらく目を反らすことができなかった。
「そうだ、願い事は何がいい?」
「え?」
我に返えった時には、すでにユカタを着せられていた。
あなたは床に跪いて、慣れた手つきで帯を蝶々の形に結んでいる。
「勝負に勝ったのは君だ。約束通り叶えてあげるぞ」
「うん……!」
そうだ、僕、勝ったんだ。
願い事、何でもいいって言ってた。
「ソウゲツ......」
「うん」
あなたがふっと顔を上げた。
優しげな蒼い瞳に見つめられる。
胸の内にあった熱いものが、ジワリと膨らみを増すのが分かった。
押し上げられた気持ちは、もう隠せそうにない。
「もっと触らせて……」
するとあなたはキュッと眉根を引き締めた。
「王子様……」
まじまじと僕の顔を見ている。
やっぱりこんなお願い、予想してなかったよね?
自分でもフェアじゃないって分かってる。
だって、夕べの僕は「嫌だ」と言ったから。
おかしくなった自分を知られてしまうのが怖かった。
傷つきたくなくて、あなたの手を拒んでしまった。
「嬉しいよ」
あなたは小さく息を漏らした。
複雑な表情をしている。
「だけど、困ります……」
「ソウ」
「何でも叶えると言いました。男に二言はないとまで。しかし、それだけはご容赦ください」
どうして?
「本丸だから?」
そう尋ねると、あなたはそっと口の端を持ち上げた。
「夕べから、ずっと君を抱くことばかり考えています」
だから過度の刺激は禁物なのだ、と。
そう言いながら、あなたは僕を抱きしめるようにして帯の結び目をスルスルと背中の方にずらしていった。
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