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04 (時雨side)
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結局媚薬は受け取り、次の日の朝、薊さんを駅まで送った。
「時雨さん、本当にありがとうございました。」
「いえ…。気をつけてね。またストーカーに会ったらすぐ連絡してね。」
「はい。時雨さんは本当にお優しいんですね。」
薊さんは嬉しそうにニコッと微笑んだ。
綺麗な黒髪が風になびいてとても美しい。
その時見えた彼女の首筋には、キスマークがあった。
あぁ、愛されてるんだなあ。
「媚薬、使ってくださいね。時雨さんなら、絶対好きな人落とせますよ。」
「ありがとう。」
薊さんにそう言われると、何故だか、使ってみようと思っている自分が出てくる。
でも、使っちゃだめだよな。
電車が来て、薊さんはそれじゃあ、と手を振り電車に乗って行ってしまった。
俺はここに来て、1つの疑問が浮かんだ。
薊さんの自宅の最寄りの駅はここから3駅程の所だった。
彼女は何故、ここに来てたのだろう。
彼女は何も荷物を持っていなかった。
持ってきていたのは、貴重品と、俺に渡してきた媚薬だけ。
単純な俺は、不思議な人だなあ、としか思うことが出来なかった。
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