アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
【暇だ】
-
「だああああああああああっ!!!暇だ!」
「わっ、びっくりしたぁっ!いきなり大きい声出さないでよ……!」
「だって暇過ぎるんだもん!」
「男がもんって言っても遥燈以外可愛くないぞ!」
「そこは男がもんって言うなじゃないの!?」
俺はここ最近、ずっとこれしか言ってない。
「あー……暇だよぉおおお」
「だったら本心を突き止めなさいよ。じゃないと生徒会の補佐も出来ないわよー。」
「ぐぇえええ、プレッシャー……」
「そんなこと言ってる暇ないじゃないの。……一生見えなかったりして……」
「うわあああああ、それはやだ!!」
「見えないまま卒業したり……」
「ひええええっ、姉貴ずる過ぎる!!」
目が見えないため、あちらこちらに手を振るが、姉貴に当たらない。
姉貴は、俺の目が見えないことに対して呆れてるようだった。いや、見えないことに対してじゃなくて、暇だ暇だといって何も考えようとしない俺のことを見破ってるんじゃないか……。
……実は時間はあまり残されてないのかもしれない。
かと言って卒業するのは来年だしなぁ。
その間、会長達は2人で仕事するのか……あの量を……。
もしかして…俺以外の別の人雇ってる?
あー……なんでこうも、うまくいかないんだろ……。
助けてくれ……。
*
「……。有り得ないわ……」
「……。これはないですね」
「……。これはないな。」
「えっどういうこと?!俺今どんな格好してんの?」
会長達が見舞いに来てくれた。
お見上げに何か着させられてるんだけど、何かわからない。
「これは……可愛すぎてない。」
「そうですね。ちょっと記念撮影。」
「私も写真撮ろう。遥燈笑って!」
「え、こ、こう?」
笑ってるつもりだが、どうなってるのかわからない。
「え、どんな格好してるの?俺……」
「…そうね、目が見えるようになったら見せてあげる。」
え……それ一生見れないんじゃ……。
いや、そんな事言ってたらダメだ。
ネガティブになってしまう。
じゃあどうしたらいいんだ……。
……真逆のことを考える?
例えば……目が見えてると、汚いものが見えて嫌だった。
それを逆にして考えれば、目が見えてないと、皆の顔が見えない。
遊べない。俺だけハブられる。
そんで……なにか怖いことがあっても、電話も出来ない。
……これは最悪だ。
今度こそ死ぬ。
これを強く思えばいいのか?
ああもう分からんな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 154