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【告白の返事】*短め
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翌日、俺は早めに誠くんを呼び出しておいた。
いつも通り制服ではなく、ジャージで、告白の返事をするには少し味気ない気がするが、そんなもの俺は知らぬ。
それにしても緊張する。
返事を伝える方がこんなに緊張するなら、きっと告白する方はもっと緊張するだろうな。
そんなことを考えていると、誠くんが来た。
「…おはようございます」
「あ、おはよう。…で、早速ですが……」
「あぁ待ってください!心の準備が欲しいので……。全く、驚きましたよ。教室に来るなり、今日返事させてほしいって…。」
「ごめん。待たせるのも良くないと思って。返事はじっくり考えてきたよ。いろんな本見たりして。」
「…そうですか。先輩にしては随分積極的に返事を考えてくれたんですね。」
「ふざける問題ではないと思ったからなぁ」
「まぁ、確かにそうですが。
……よし。もう大丈夫です。」
その言葉に俺は堅くなった。
体もだけど、心まで固まったように口が上手く動かない。
今、心臓は破裂するほど動いてるだろう。
これから俺がいう言葉に対しても、誠くんの対応にも、罪悪感にも、全てのことに心臓が動く。
「…ふ、ふぅ。」
「なんで先輩が緊張してるんです?」
「な、なんでだろうね。
……えっと、この間の告白の返事ですが……
その……」
「戸惑わなくていいです。それがあなたの気持ちなんですから、気を使わないでください。」
「う、うん。……この間の告白…なんですが、ごめんなさい。誠くんと付き合うことはできません。でも、」
「やっぱりでしたか。なんとなく予想はついてましたけど。」
……誠くん…。
やっぱり、あの時の切なそうな顔って…
「でも、先輩は彼氏も彼女もいませんよね?俺は諦めませんから。これからも好きでいさせてくださいね。」
「は、はぁ。」
誠くんはあの寂しそうな顔を隠そうとしてるのか、無理に笑っているのがわかった。
でも、その言葉に嘘はないような、そんな気がした。
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