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「にしても、マネージャーは選手以上に大変そうだね。一年生でもこんな朝早く行かなくちゃいけないなんて」
「うーん。でも運動苦手だし、僕はれーくんの力になれるから、マネージャー頑張りたいよ!」
「本当?嬉しいな」
れーくんが嬉しそうに笑った。
夏頃には三年生は引退してしまうし、マネージャーは僕一人になる。
選手みんなをサポートする役目が僕だなんて、やっぱり不安がある。
だからこそ、千早先輩がいる間に仕事は完璧にしたいな…。
なんて考えている間に、もう学校の門が見えてきた。
「もう着いちゃうね………、わっ!!」
「痛っ!」
大きな声を出したれーくんの方を見る。
どうやら曲がり角から歩いてきていた人とぶつかったようで、女の人が尻餅をついていた。
「すみません。大丈夫ですか…?」
「…ったた。ごめんなさい!私スマホ見てて全然前向いてなくて……っ!」
「いや、こちらこそ、話に夢中で気づかなくて。すみませんでした。お怪我はありませんか?」
れーくんがしゃがみこんで、女の人に手を差し伸べる。
その動作はまるで王子様のようで…。
女の人も頬を赤らめていた。
「大丈夫です。あ!もうこんな時間…っ、私行かなくちゃ。本当にすみませんでした!」
女の人は腕時計で時間を確認し、ぺこりとお辞儀をして慌てて去って行った。
去り際、彼女のカバンから何かが落ちた。
「あの!!落し物!!」
れーくんが叫んだが、女の人は気付かずにそのまま走り去って行った。
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