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「要、悪い。うち来てくれないか?」
ベッドに横になり、紫音に腕枕してやりながら片手で要に連絡を入れた。
部屋もシーツもベタベタで、こんなところに麗音が帰ってきたらまずいだろう。
まぁ部屋が大惨事なのは朝見たから知っているはずだが…。
結局紫音ともちゃんと話すことができていないし、発情期ってのも大変だ。
「誠さん、人使い荒すぎます。……っていうか、何ですかこの大惨事は…」
「見ての通りだ。麗音が帰ってくる前に片付けてほしい」
「うわぁあ。まじか。分かりましたよ…」
要は電話してすぐに駆けつけてくれた。
かなり助かるが、本当だったらこいつも今日休みなわけで…。
仕方ねぇ。明日休みにしてやるか。
「誠さんの部屋きったな!!!」
「仕方ねぇだろうが」
「何でこんな服山積みなんですか…。しかもベッタベタ…」
俺の部屋から要がデカイ声で話す。
紫音が起きるからやめてほしい。
と思っていたら、要が呆れたように寝室へ戻ってきた。
「何であんなことになってるんですか…」
「たぶんネスティングだ」
「ネスティング?」
「あぁ」
要は不思議そうに聞いた。
俺も初めて見たから確信とは言えないが、おそらくアレはΩ特有のネスティングってやつだろう。
紫音は今まで一度もそんなことをしたことがなかったから、あの惨事を見たときは全く思いつかなかった。
よくよく考えたら、紫音の部屋はあれ以降一切入った形跡はなく、乱れているのは寝室と俺の部屋だけだった。
特に匂いの強く付いた俺の服だけをかき集めて隠れていたのはそういうことだと思う。
今までしなかったネスティングをしたということは、それだけ紫音を不安にしていたってことだ。
Ωは強いストレスと不安、それから寂しさが積み重なると本能的に巣作りをすると聞いたことがある。
たしかに俺は、普段紫音を不安にさせないように、仕事は早めに切り上げて帰っていた。
最近はあんな生活が続いたから不安定になってしまったんだろう。
隣りで安心したように眠る紫音は幸せそうに見えた。
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