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「おいっ、どこに連れてく気だよ!?」
鳴上が運転する車の中、隣に座る凌真に説明を仰ぐも、凌真はめんどくさそうな顔でそれを無視する。
「......鳴上さーん、ちょっと寒いかも」
「申し訳ありません。すぐに調節いたします」
「おいっ!無視するな!」
俺の存在を無視して会話する二人を怒鳴れば、凌真がやっと俺を見た。
「もー、うるさいなぁ。なに?」
「だからっ、どこ行くんだって!」
「兄貴のとこしかないでしょ。修弥は黙って告白の言葉を考えてくださーい」
「なっ!?」
告白!?俺が、賢斗に!?
確かに好きなのは認めたけど、告白なんかできるはずない。
もう婚約するって決めてる賢斗に今さら気持ちを伝えたところで、結果は分かりきってる。
「無理だろ......」
「そんなことないよ。てゆうか、いい加減くっついてくれないと、両方から話を聞かされる俺がめんどくさい」
「え?」
「あ、着いた」
訳のわからないことを呟いた凌真は相変わらず俺のことを無視して、車から降りる。たどり着いた先は、フレンチレストランだった。
「修弥様。お手をどうぞ」
いつまでも車の中にいる俺に鳴上は手を差し出してくる。いつもの習慣で無意識にそれを掴んでしまった俺は、すぐさま外に引き出された。
「はーい、じゃあ行こっかー」
「は、ちょっと待てって!」
俺の腕はそのまま凌真に渡され、グイグイと引っ張られる。鳴上を睨みつけるも、鳴上は何食わぬ顔で頭を下げて、俺を見送った。
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