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四十八。
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*
ーーーーーー
ーーー
ーーーあれから、一ヶ月後。
ザァァァァァ……
大量に降る雨が屋根にぶつかり、音を鳴らす。
電気を消したまま青暗い部屋の中で、慎太郎は座り込みただ一点を見つめていた。
見つめる先は、何も飾っていないただの壁。
「……………………。」
彼の青い瞳は、何も映さず光をなくしていた。
ガチャッ
すると慎太郎の家の扉が開く。
外から帰ってきた冬護が、部屋の隅で蹲る慎太郎を見てため息を吐いた。
そんな彼の手には、食材が入ったビニール袋を持っている。
冬護はそれを台所に置いて、部屋の隅にいる慎太郎の元へ行った。
「………おい、まだ寝てないと駄目だろ。なんでまたそこに座ってるんだよ。」
「……………………。」
冬護はクシャリと前髪を崩して、慎太郎の身体を抱き上げようとした。
「おら、病人は大人しく布団で寝てろ。怪我が悪化したらどうするんだよ。」
しかしそれを慎太郎は拒む。
「………別に、どうでもいい。俺のことは放っておいてくれ。」
慎太郎の身体には包帯が巻かれていて、左頬は大きなガーゼが貼られていた。
「……駄目だ。お前がちゃんと寝るまで、俺は諦めねぇぞーーーーーー
そういった瞬間、慎太郎は冬護の唇にキスをする。
ピチャリと濡れた舌を、閉じた冬護の口に入り込ませた。
歯列に沿うように、慎太郎は舌を動かす。
「…………………。」
その様子を冬護は冷めた目で見つめた。
「……何の真似だ、慎太郎。」
「………俺を抱いてよ、冬護。そうしたら、大人しく布団で寝る。」
生気が宿らない瞳で、慎太郎は冬護に縋りつく。
「……そんな行為で、てめぇは満足するのか。」
「………………………。」
何も喋らない慎太郎は、静かに涙を流した。
枯れそうな声で、慎太郎はポツリと呟く。
「………分からない……。俺はどうしたら……、この苦しみを忘れられる……?」
その声を聞いた冬護は、辛そうに顔を歪める。
ーーーコイツをこんな風にしたのは、あの時何も出来なかった自分のせいだ。
「……………………、」
冬護は覆い被さるように、慎太郎にキスをした。
計り知れない悲しみを抱えた彼を、一時的に楽にするのは……、肉体による快楽だけだったから。
ーーーーーー
ーーー
激しい雨音の中、2人は夢中になって快楽を貪った。
服は全て脱ぎ捨て、部屋の隅へと追いやられる。
薄い布団の上で、熱く交じり合う2人。
慎太郎は気持ち良さそうに息を吐き、切なげな声で喘いだ。
接合部分からグチュグチュと厭らしい水音がする。
冬護は慎太郎の怪我が悪化しないように、気をつけながら行為を行った。
彼が感じやすい部分を執拗に突き、同時に慎太郎のモノも擦り上げる。
「ッあ、あぁっ……冬、護……だめっ…!!」
「嘘つけ…。ココ…擦り上げると気持ちいいんだろ。ほら。」
優しく囁きながら、冬護は慎太郎の弱い所を何度も突いた。
「アッアッ…もう、だめ……イクっーーーー!!」
何度か絶頂を繰り返し、慎太郎は眠るように意識を失う。
「…………………。」
身体を綺麗にさせて、新しい布団で静かに眠る慎太郎。
それを、冬護は見守るように見つめた。
最近まで蔑み、言い合っていたあの頃が懐かしい。
(………これからはちゃんと、俺がお前を守る。月華として…1人の男として…。)
そうすればいつか、お前に幸せな未来が訪れるかもしれないから。
「……だからその日が来るまで、俺はお前を守り続ける。」
ーーーたとえその敵が、お前自身であったとしても。
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