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season #65
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5人は横一列に並んで頭を下げた。
「ありがとうございました。」
海の家の経営者でもあるおじさんは、ゴムボートに乗ったまま帰ってこない
5人を心配して、漁船を出して探しに来てくれた。
おかげで、一晩ひもじい思いをすることもなく、無事、宿に戻ることができた。
「いいよ、いいよ。ゴムボートも見つかったから。
でも、海は怖いんだよ。気をつけなきゃいけない。
身に染みてわかっただろ?」
おじさんはちょっと怖い顔をして、風呂場へと促す。
「潮、流して、夕飯にしな。お腹も空いたろ?」
「はい!」
5人は直立不動で返事した。
「ほら、早く流しといで。」
おじさんが奥へ帰っていくと、5人は急いで熱いシャワーを浴びた。
「シャワーってすごいな。」
雅範がシャワーを浴びながら、感慨深そうに言う。
「たかが、半日島に取り残されたくらいで。」
和哉もシャワーを頭から被る。
「でも、夏でもこの辺は、夜、寒いんだね。」
智は、肩からお風呂のお湯を掛け、体をビクっとさせる。
「お前ら、早くしろよ。俺ら風邪引くわ。」
修は後ろから雅範と和哉の背中を叩く。
「急いでるからちょっと待って。」
雅範がシャンプーを泡立てながら振り返る。
「いいよ。ゆっくり洗って。おいらあったまって待ってるから。」
智は湯船に足を入れると、熱いのか足を引っ込める。
「大丈夫。俺、もうすぐ終わるから。」
淳一が頭の泡をシャワーで洗い流す。
「智、熱い?」
修は話かけてハッとする。
裸だ……。
智から顔を逸らし、そっと湯船のお湯をすくう。
「熱い……すぐには入れないかも。」
智はまた足の先を付け、今度は足首まで沈める。
「ちょっと大丈夫になった。」
智が修に笑顔を向けると、修はチラッと見て、また顔を伏せる。
その様子に、智も気づいてハッとする。
なんとなく、体を隠すように修に背中を向ける。
お互いの体を見ることができなくて、見せられなくて、背中合わせに湯船に入る。
しかし、湯船のお湯は熱くてすぐに入ることができない。
「俺、終わったよ。次、誰が使う?」
淳一が二人の間にやってくる。
「あ、智、先使いなよ。」
修が振り向和哉に言う。
「いいよ。修君先に浴びて。」
智も、振り向けずに浴槽の縁に腰掛ける。
「何?ケンカでもしたの?」
淳一がニヤニヤしながら縁に腰掛ける。
「そんなことないけど……じゃ、おいら先に使うね?」
智が立ち上がり、シャワーの下に立つと、頭からシャワーを浴びる。
修は熱いお湯にゆっくり体を沈めながら振り返る。
雅範、和哉の隣の智の後ろ姿。
細いのに綺麗な筋肉の付いた体。
滑らかな背中を伝うシャワーが、小さな尻を撫でていく。
修が智の後ろ姿に魅入っていると、隣で淳一がニヤニヤ笑う。
「綺麗な体だよね?智。」
修の耳元で小声で話す。
「う、うるせぇ。」
見ていたことを気づかれて、まるで覗きを見つかったかのように恥ずかしくなる。
「雅範も綺麗なんだけどね……。筋肉の質が違うのかな?
智の筋肉の方が柔らかそう。」
淳一が浴槽の縁に両手を乗せて、三人の筋肉を見比べる。
「和哉はね……筋肉ないから。今はいいけど、年取ったらポヨポヨだよね?」
淳一が修を見て、クスクス笑う。
「お前、恥ずかしくないの?」
修がたまらず聞いてみる。
「何が?」
「そ、そんなに裸見て。」
「なんで?男同士じゃん?」
「そうだけど……見ないようにするもんじゃないの?」
「いいじゃん。昔からみんなでお風呂も入ってたし。」
「そうだけど……昔と違って大きくなったわけだし……。」
「あはは。修ちゃん、意識しすぎ。」
淳一は修の耳元に口を寄せて囁く。
「智がいるから意識するんでしょ?」
「ば、ばか、違っ!」
修が顔を赤くすると、和哉がシャワーを止めて振り返った。
「修ちゃん、次使って。」
真っ直ぐ湯船に入ってくる。
「おっ、あっつ!」
和哉はそう言いながらも、湯船にどんどん沈んでいく。
修は湯船から出ると、和哉のいた場所でシャワーを捻る。
シャワーを頭から被って、隣を見ないように目をつぶる。
「修ちゃんもいいお尻してるよ~!」
湯船の中から淳一と和哉がニヤニヤ笑う。
「うっせぇ!見んな!」
顔だけ振り返って修が言うと、和哉が浴槽の縁に両手を重ねて顎を乗せる。
「じゃ、智の見ちゃお。」
和哉がニヤッと笑う。
「止めろ!そんな目で見るな~!」
修はシャワーを掴んで二人に向ける。
顔からシャワーを掛けられた二人が大声で叫んだ。
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