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〜恋side〜
「わーっ!目真っ赤じゃん!大丈夫?」
小雪の服を貸してもらい、ホテルのロビーに行き、明希と千秋を含めた4人でテーブルにつく。
「本当あのタコ野郎!ヘタレすぎんだよね。イケメンのくせして自分の魅力には無知だし、言葉でちゃんと言わない時あるし、恋さんに甘えてるところあるし。」
小雪はまだ怒りが収まらないのか、明希と千秋への説明後もそう言っている。
「でも、その、香帆さん?って、なんなんだろう…?琉さんの、元カノ、なのかな?」
千秋がそう言う。
「たぶん…きっと…昔、大切にしてた、ひとなんだとおもう…」
そう話すと、また涙がにじむ。
「よし!もうその女の話はおしまい!琉さん宛てで領収書切るから好きなもん食べていいよ!!」
小雪はそう言ってホテル併設のカフェメニューを広げる。
「ほら、甘いものたくさんあるよ!恋さん、食べよ?ね?」
小雪にそう言われても、涙は止まってくれなくて、恋は涙を拭うしかできない。
「よーし!たくさん頼んじゃおう!それでみんなで食べよう!明希ちゃんと千秋ちゃん選んで!恋さんにも食べさせるからたくさん選んでいいよ!」
小雪はよしよし、と頭を撫でてくれて、明希と千秋はスイーツを選んでくれた。
しばらくして、ホテルのスタッフがスイーツを運んできてくれた。
恋の目の前には、本当に色々な種類のスイーツが並べられた。
「ほら、好きなもの食べていいよ!」
「明希、僕たちも食べよう。」
「そうだね!恋、一緒に食べよ?」
「…っ…うんっ…」
チビチビと口に運びながらも、考えることはやはり琉のことで、涙は止まってくれそうにもない。
「あ、そうだ。明希ちゃんと千秋ちゃんでさ、恋さんの服、持ってきてくれない?僕の服だと小さいだろうし…これはフリーサイズだから着れてるけど。」
「いいですよ!でも、家は今、琉さんいるんじゃ…」
「あー…じゃあ、買ってきちゃえ。領収書出してもらって、宛名琉さんでいいから。」
「小雪さん、さっきからずっと、琉さんにお金払わせようとしてる。」
明希がケラケラと笑う。
「だってねー!あのヘタレ本当に腹立つじゃん!」
小雪は怒りながらケーキをパクパクと食べている。
側から見たら、小雪が琉の恋人なのかと思うくらいの怒りようだ。
「なーにがイケメン俳優だ!ヘタレ俳優だよ、ヘタレ!」
「小雪さん、ヘタレって言い過ぎ。」
明希がそう言い、千秋もクスクス笑う。
3人を見ていると、恋も少しだけ元気になれた。
「恋さん、元気でた?」
「はい…少し…」
「よし!明日は僕とデートしちゃおうね!!琉さんが迎えにきたら許してやらんでもない。」
「小雪さんが恋のお母さんみたい。」
「僕、今日は恋さんのお母さんだから。」
小雪はそう言って得意げな顔をする。
「じゃあ俺は恋のお兄さんになりまーす!」
「じゃあ僕も。」
「いや、どっちかっていうと恋さんがお兄さんだよね?」
「えー?!」
「まあ確かに…僕たちより恋の方が大人っぽいもんね。」
他愛もない話をして、恋を慰めてくれる3人に、恋の心が少しずつ軽くなっていく。
いい友達を持ったな、と改めて恋は思った。
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