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俺がそう言うと、風紀委員長は満足げに笑って頷いて近付いてくる。
逃げたい、逃げ出したい。
クイッと顎を持ち上げられて、視線を合わせられる。
「俺のことは名前で呼べよ。円(まどか)ってな」
風紀委員長——室井 円(むろい まどか)。
端正な顔立ちであるものの、その性格から恋人は出来ても長続きせずいつも違う恋人を連れている。
そして、彼にはルールがある。
彼は許した相手にしか名前を呼ばせない。それが例え恋人であっても。
未だに恋人で彼に名前呼びを許された人はいない。
そう、聞かされていた。
どういう風の吹き回しなんだろう。
俺がぐるぐる考えていても、風紀委員長は指を俺の唇に這わせていて。
「ほら、早く」
まるで本当の恋人のように甘く囁いた。
それは彼の事が好きな人だったら卒倒しているかもしれない甘さ。
でも俺には恐怖でしかなくて。
さっきまでシンとキスしていた唇なのに。
さっきまでシンに撫でられていた頰なのに。
怖い、怖いよ。
「——あぁ、副会長とのキスを上書きしないとな?」
「!?」
その言葉に、驚いて目を見開く。
まさか。
キスまで見られて?いや、見られていたに決まってる。
だってこの人は面白いものを見たって言ってたのだから。
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