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不思議な後輩 8
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「...雛瀬先輩どうして怒らないんですか?」
「.......怒る理由がないよ..」
「怒る理由しかないと思いますけど...」
恭介は複雑そうな顔をしていて
その横顔は自分のような人間が見てはいけない美しいもののような気がして、
ちらりと見上げては俯くのを繰り返すのだった。
「あの...本当に気にしないで..なんとも思ってないから..」
「あれ、そうなんですか?
ちょっとは、なんとか思ってくれてるのかと思ったんですけど」
「なんとかって..?」
「...俺のこといいなーとか..」
「......?」
「いや、いいですなんでもないです」
恭介はなぜか顔を赤くしながらもそう言って首を振った。
一体、どういう意味なのだろうか。
伊積恭介という不可解すぎる男が硝子にとってはなんだか恐ろしくも不思議に感じるのだった。
「あの、とにかく俺は..先輩のこと傷付けようと思ったわけじゃなくて、本当に、
全然説得力ないですけど..えっと..」
彼にじっと見下ろされて、
硝子は居た堪れなくて自分の足元を見下ろした。
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