アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
8
-
「昨日、お祭りに行ってきたんだ!はい、これ、大和くんの分だよ!」
「……。…ありがと」
大和くんは顔を下に向けたまま、お礼を言ってくれる。
そして助けを求めるように手を繋いでいる大河さんを見つめる。
大河さんは笑って大和くんを抱っこして、大和くんは大河さんの首元に顔を埋める。
「煌貴くん、大和くんの分までありがとう!」
大河さんが笑顔でそう言ってくれて、俺は首を振る。
半年経っても俺のプレゼント攻撃は続いていた。
半年経っても大和くんは俺の顔を見てくれない…。
そして大河さんと大和くんは、今日も一番安いハンバーグ弁当一つを買って帰る。
毎日、ハンバーグ弁当で飽きないんだろうか…?
一つのハンバーグ弁当を大河さんと大和くんで分け合っているのだろうか…?
そんな疑問が湧く。
だけど、それは聞いてはいけないこと。
大河さんと大和くんは必死に毎日を生きているのは、当時、幼くて自分勝手な俺でも何となくわかっていたから…。
だから、そんな疑問は自分の胸だけにしまっておくことにした…。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
159 / 612