アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
「まだ疑ってるんですか?」
「ああ、ちょっとな」
浅川先生はそう言って話すと、持っているライターを鳴らして、口にくわえたタバコに火をつけた。
「腹が痛かったら保健室に来れば良かったのに?」
「浅川先生、彼は新入生ですよ。保健室がどこにあるかなんて知るわけないでしょ?」
「そうか?」
「ええ、そうですよ。君もそうだろ?」
「はい……!」
僕はこれ以上、疑われないようにその場で相槌をして返事をした。
「じゃあ、俺が調べて来るので浅川先生は彼の事を見ていて下さい」
「松本いいぞ。見ててやるよ、このちびっ子をな」
「じゃあ、行ってきます。ところで君、名前は?」
「間城総太です……!」
「間城総太君だね、わかった!」
松本先生に自分の名前を教えると、僕のクラスが何組かを見に行ってくれた。そうしているうちに僕は浅川先生と二人だけになった。中からは既に入場式の音楽と拍手の音が鳴っていた。
「始まったな――」
「ええ、そうですね……」
「こりゃ完全に出遅れだ」
「そうですね……」
「いや、お前じゃなくて俺が出遅れたんだ。だれかさんのお陰であとで教頭にお小言を言われちまう。終わったな」
「す、すみません……!」
浅川先生は僕の隣で地面にしゃがんでタバコを吹かしていた。まるでヤンキーみたいな座り方だった。まさか元ヤンキー(不良)?なんて……そんな事は彼には聞けなかった。聞いたらあとが怖そうだった。そうしているうちに松本先生が戻ってきた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
21 / 30