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side 鵜飼繋心
「ワンチ」
「ワンチ」
「ワンチ」
宣言どおり綾斗はブロックでワンタッチを繰り返す
その全てが西谷の前に上がる
「綾斗くんは本当にすごい選手なんですね。素人の僕でもわかります」
「あぁ」
すごい選手か
あれは天才とかじゃない。化け物だ
side 田所綾斗
あー息が詰まる
首元に手を置かれているような感覚
懐かしい
また俺はブロックする
夕の元へボールが行き、きれいに俺に帰ってきた
バックトスの体勢に入りライトに上げるように見せ、レフトの力へとトスを上げる
シンクロ攻撃の練習をしている彼らは全員で入ってくるので使いやすい
次、赤葦は今うちのレフトを警戒しているはずだからライト
梟谷の今調子がいいのは木兎さんとあとあの口元が笑ってる人さっきの攻撃の後、木兎さんを使ってくる可能性は45%、口が笑ってる人は40%。赤葦の性格を考慮するとここはツーアタック
俺は赤葦のツーを止める
ふぅ、あたった
烏野6-5梟谷
メンバーチェンジで大地さんに代わりスガさん。
旭さんに代わり田中が入ってきた
しばらくして鵜飼さんがタイムアウトを取った
俺は影山からドリンクをもらった
「綾斗さん」
「ん?」
「鵜飼さんから聞きました。俺を使わない理由がセッターにこだわりがあるからだって」
まぁそれだけじゃないんだが…
「俺、どこでもいいです。試合に出させてください!」
そう来たか
俺は顎に手を当てる
今、俺の予定通りに試合は運ばれてる
だから使いたくない
それに影山にとって中から見た俺は参考になるだろうか
「綾斗」
鵜飼さんが俺を呼んだ
「俺からも頼む。日向を使わない理由は分かるが、影山はこういってるんだしコートに入れてもいいだろ」
はぁ、仕方がない
「鵜飼さんがそう言うなら、蛍と交代で」
「お、俺も!試合に出たいです」
俺の後ろから日向が顔を出す
「お前は駄目だ!」
「なっ影山が決める事じゃねーだろ!」
仲良しだなーこの2人
「分かった、いいよ」
あーこの試合負けるかも・・・
現在
烏野10-11梟谷
ーーーーーーーーーー
木下 俺 影山
日向 菅原 田中
セッター3人とかカオスかよ
以外にも影山は本当にスパイカーとしての動きに徹底していた
俺の技を盗むように見てくる感覚にはぞわっとするものを感じたがそれだけだ
「セッター3人に挟まれると誰から上がるのか混乱するな」
「ごめん。こんな事になるとは思ってなかったんだ」
田中のつぶやきに俺は悲しくなった
それでも俺は自分の仕事をする
side 影山飛雄
綾斗さんに無理をいって試合に出させてもらった
外から見た時の印象はフェイクの多いセッター
別にそれほど難しい事をしているようには見えなかった
けど、中に入ったら違った
あの人は梟谷のセッターのセットアップを完全に読んでいる
敵からすれば自分が上げたボールが掴まるのではなく、上げさせられてる。そう言う感じだった
それなのに綾斗さんのセットアップは静か
外からはフェイクが多く見えていたのに、中に入るとボールがどこに上がるかよく分かる
不思議な感じだ
これが田所綾斗のセットアップ
なにか参考になるものがあればと思ったがこれは真似できる領域ではない
県内で最強の及川さんが昔、興奮してしゃべっていたのを覚えている
『田所綾斗のようになりたい』と
あの時はこの人よりまだ上がいるのかと軽い気持ちで聞いていたが、確かにこれはセッターとして憧れる
side 赤葦京冶
トスが読まれてる
どこにあげても裏をかこうとしても田所さんが着いてくる
恐怖を感じた
「あかーし。吞まれるな」
珍しく木兎さんがまともな事を言っている
あ、この試合は負けるかもしれない
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