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「…紘…」
「ん?どーしたの?」
「…俺が愛斗の事が嫌いだって言ったら…どうする?」
「別にどうもしないよ?まーくんの事が嫌いでも、歩夢は歩夢だもん」
「…そっか…変な事聞いてごめんな」
「ううん。そうやって俺を頼ればいいよ。いつでも力になるから」
そう言って紘は優しく微笑んだ
本当にこいつは優しすぎる…
お前しかいないよ
俺をこんなに思ってくれるのは…
「はーい。みんな席ついて〜。HR始めるよ」
俺がそんなことを考えていると
担任が教室にやってきた
何やら話をしているようだったが
俺の耳には全く何も入ってこなかった
窓の外を見ながら
俺はいろいろ考えた
琉衣のこと、愛斗のこと…
頭に浮かんでは消えて…
それの繰り返し
琉衣と愛斗が幸せそうにしている所を
想像すると胸が痛くなった
考えたくないのに…
2人のことなんか…考えたくないのに…
それなのに考えてしまうんだ…
愛斗の事は嫌いじゃない…
でも…好きでもない…
琉衣と一緒にいられる愛斗が
本当は憎い…
俺だって…俺だってって…
そんな事ばかり考えてしまう
嫉妬したところで
何も変わらないのに…
俺が琉衣を思い続けたところで
何も変わらない…
でも好きなんだよ…
愛斗じゃなくて…俺を見ろよ…琉衣…
HRの間、俺はそんな事ばかり
考えていた
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