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「…俺なんかが…琉衣を愛したらダメだったんだ…俺と琉衣じゃ…釣り合わないから…」
「そんな事…ないよ…」
そんな事…言わないでよ…
歩夢…
「こんな嘘つき…いらねぇよ…!!」
「…歩夢!!」
そう叫んだその瞬間…
俺は歩夢を抱きしめていた…
初めて触れた歩夢の体…
初めての感触…
やっと…触れられた…
歩夢に…
初めて触れた歩夢の体は震えていて
細かった…
「歩夢…そんな悲しい事…言わないでよ…俺…歩夢がいなくなったら…悲しいよ…」
「…紘…」
「もう、十分伝わってきたよ…歩夢の気持ち…だから…もういいよ…我慢しなくていいよ…耐えなくていいんだよ…!」
「…っ!」
俺がそう言った瞬間
歩夢の目から涙がこぼれたのが分かった
その涙は
俺の制服へと落ちていく…
そして、ポツポツと
話し始めた…
歩夢の本音を…
「俺…辛かった…!苦しかった…!もうどうしようもないくらい…琉衣が好きで…好きで…!何で俺を見てくれないんだって…そんな事ばっか考えて…!」
「…うん…辛かったよね…苦しかったよね…」
震える歩夢の体をしっかりと抱きしめる
強く…強く…
「愛斗と付き合ったって知った時…胸が張り裂けそうだった…好きだ…好きだって…心が叫んでた…!」
「…うん…よく頑張ったよ…歩夢は…!」
「悲しくて…苦しくて…そして何より…寂しかった…!忘れたくても…忘れられなくて…それだけ好きだったんだって…実感させられて…」
ずっと1人で抱え込んでたんだ
こんなにたくさんの思いを…
一気に溢れた思いは
止まる事なく…
歩夢の口からこぼれていく…
「一度でいいから…好きだって言われたかった…!誰かに愛されてみたかった…!」
嗚咽まじりの声で
歩夢がそう言った
その言葉を聞いた瞬間
俺の中の何かが切れた音がした…
そして次の瞬間…
自然と俺の口から
言葉がこぼれていた…
「…俺にしなよ…」
「…………え?」
ずっと…ずっと
心に秘めていた思いを…
今…君に伝えるよ…
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