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お菓子の日SS 恋しい年頃
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ここは、旭達が暮らす部屋。
昼時。小牧は、リビングでソファーに横たわっている。旭は、ソファーから見えるキッチンで洗い物をしている。
小牧が唐突にソファーに寝そべりながら、同居人に声をかけてくる。
「なぁ、旭。」
「ん~??」
旭は水音に負けないよう、大きな声を出す。
「今日、パッキー&パリッツの日じゃん。」
「うん??ああ、悪ぃ。よく聞こえないや。」
旭はお皿の一枚を水切りかごに立てかけ、振り向こうとする。すると、いつの間にか思い人が背後に佇んでいた。
「ぅわ!?」
驚く旭の口に、パッキーが一本押し込まれる。反射的にお菓子を咥える旭。相手は、反対側の端っこから、ポリポリと齧り出す。
「ん…っ!!ひょッ!?こまひ…??」
ぽりぽりぽりぽり…。
小牧の薄い唇に、パッキーが吸い込まれていく。二人の距離はどんどんと縮んでいく。相手の吐息を擽る近さになって、旭は目を見張る。
あと数センチ、というところだった。
旭の右手が風を切って、二人の間を繋げていたパッキーを一刀両断した。小牧が目を点にしていると、僅かに開いた唇を相手の口に貪られる。
「っぅん…!!っふ…!?」
小牧が息苦しくなってくると、ようやく相手の唇が離れた。
「一体、何考えてんだよ、あさ…っ!!」
ぱくぱくと動く小牧の口に人差し指が一本添えられる。旭は、同居人の口を封じているのとは別の空いている腕を相手の首に絡ませて、酸欠でしっとりと潤んだ瞳を向けてみせる。
「…キスしたいんなら、すりゃいいじゃん。」
肌同士が密着しそうなくらい顔を近づけて、旭は恋人を睨めつける。…瞳の奥に、時折ちらつく情欲の炎。
「パッキーゲームなんて、まだるっこしい真似すんなよ。」
「…ハヒ。」
小牧がガクガクと頷くと、同居人はふふっと微笑んでわかればよろしい、と呟く。
「さぁ~て、皿洗いの続き続き。手ェ、ぐしょぐしょに濡れてんのにいきなり話しかけてくるなよなぁ~…。」
「旭サン大胆!!」
「あ゛ぁ゛ん゛!?…なんか言ったか??」
「いいえ…。」
旭はくるりと踵を返し、シンクで皿洗いを再開する。敵わないと思った小牧は、渋々リビングのソファーに引き上げていく。
だから、小牧はわからなかった。
皿洗いをする旭の項はほんのりと赤く、色づいていた…。
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