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燕羽と別れて冬矢を捜した
居場所は大体わかる
図書館か、音楽堂
今日は音楽堂に居た
「お前優雅に何してんの?」
「どう言う意味だ」
「和海はもういいの?」
「ああ、記憶を無くしただけで怪我は完治しているし」
「自分の事はいいの?」
「俺の事?」
「和海のお守りをしなくなったのなら恋人の傍に居てやれよ」
「わかっている、だけどずっと放置していたから言葉が見つからなくて」
「放置していた事は認めるんだ」
「そうだな」
「冬矢はさ、和海と同じようにすごくモテるよね」
「お前にはかなわないよ」
「そんな事はどうでもいい」
「一体どうしたんだ」
「もしかして、燕羽の気持ちもずっと変わらないと思ってるのかな?」
「何を言っているんだ」
「一応、先に慰めてあげようかと思って」
「・・・・・・・・」
「燕羽が何か言ったのか?」
「それは自分で確かめたら?」
「今どこに?」
「知らない」
「クソッ!」
冬矢が慌てて燕羽を捜しに行った
あのね、冬矢
言葉を見つけるより先に、燕羽に謝るべきじゃないのかな
時間はあったはず
なのに、会いに行かなかった冬矢
可哀想な冬矢
「もう遅いよ・・・じゃ、俺がもらうね」
木製のピアノの前に座り、ピアノを弾いた
今の冬矢の気持ちにはショパンが似合う
それとも、冬矢に会えば燕羽の気持ちもまた変わるのかな
「翔が弾いていた」
「繭」
「珍しいね」
「生徒会はいいのか?」
「今日は終わり、翔に話しがあったから」
「うん、何?」
「楓のライブ」
「ああ、決まったんだ」
「うん、来週」
「わかった、楽しみにしてる」
「翔」
「ん?」
「何だか、嬉しそう」
「そう見えるのなら、俺は悪魔だな」
「翔は最初から悪魔」
「お前もな」
「僕は天使」
「おいおい・・・いつからそうなった?」
「楓がいつも言う」
「何て?」
「繭は天使みたいで可愛いって」
「それを真顔で俺に言うかなー」
「だから天使は僕」
「はいはい」
「ところで、燕羽に告白された?」
「ん?」
「・・・・・・・・」
「ホント、よく見てるよな」
「僕は冬矢より翔の方がいいと思ってた」
「人間てさ」
「うん」
「好きという気持ちを伝えられると、今まで気にならなかった事も気になるよな」
「気になってるの?」
「それを聞くまでは良い奴としか思っていなかったけどね」
「今は?」
「真剣な顔をして告白してるくせに誤魔化すとか可愛いよな」
「・・・・・・・・・・」
「何だよ」
「翔にもやっと春が来た、おめでとう」
「何だそれ」
「付き合うの?」
「それは冬矢と別れてから考える」
「冬矢は燕羽がまだ好き」
「みたいだな」
「でも、燕羽は翔の方が好き」
「はは・・・」
「ひとついい?」
「うん」
「復讐の為に燕羽と付き合うの?」
「それは無い、別に冬矢を殺したいとは思わないしね」
「それならよかった」
「お前も燕羽の事心配してるんだな」
「友達」
「だな」
「翔」
「ん?」
「今、外した」
「バレた?」
「うん」
さすがだな
話をしながらでも、ピアノの間違いに気付くとはね
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