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燕羽は腰が痛いといって寝てしまった
正確には、腰とお尻らしい
ずっと馬に乗っていたしね
誰もいない談話室のソファーに寝転がって今日の出来事を思い出していた
「翔、いた」
「急にびっくりするだろ」
「なんだか嬉しそう」
「俺が?」
「うん」
「今度は何だよ」
「おめでとう」
「何だそれ」
「初夜」
「おいおい、言い方!しかも夜じゃないし」
「夜じゃない・・・と言う事は」
「俺も悩んだよ、あいつを幸せに出来るのかってね」
「うん」
「でも、出来るのかじゃなくて、するんだよなって」
「うん」
「以上」
「冬矢に気を付けて」
「わかってる、大人しい奴ほど危ないしね」
「うん」
「ところで、お前達はどうなんだ?」
「秘密」
「は?」
「来週のライブ楽しみ」
「だな」
「うん、じゃおやすみ」
「おやすみ」
もしかして、繭は確認をしに来ただけか?
だとすればかなり鋭いな
そのまま寮を抜け出し、温室に向かった
「氷龍、わかったか?」
「いや、冬矢と和海を見ていたがいつもと変わらなかった」
「みんなの前では変わるわけないだろ」
「確かに」
「あの塔へ行くしかないか」
「塔?」
「今日、二人が居たんだよ」
「あの塔は老朽化が進み立ち入り禁止のはず」
「だから気になったんだ」
「今行っても危険だ、明日俺が行って来る」
「わかった」
「早く戻ってやれ」
「思い切り寝てるから」
「そうか、お前もやっと幸せになれるんだな」
「なりたいとは思うよ」
幸せが不孝より上回ればもしかしたら
復讐したいという気持ちもどこかへ消えてしまうかも知れない
「一ついいか?」
「何?」
「遺言書は弁護士に預けているんだよな」
「うん、そうだけど」
「繭に全てを?」
「だね」
「お前の分は?」
「俺は、会社とかいらないしこの学園だけでいいや」
「欲が無いな」
「氷龍の就職先はこの学園の理事とかでいい?」
「お前はどうするつもりだ」
「俺はね、燕羽と海外で暮らそうかな」
「・・・・・それもいい選択かもな」
「だろ?」
「しかし、あのじじい・・・翔には学園だけとかふざけてるのか」
「仕方ないよ、繭の遺言書はおじい様直々の物らしいし」
「要するに、とっくに繭の事は調べてあった訳か」
「和海は、自分の父親の物だと思っているみたいだけどね」
「要するに、もういないあいつの遺言書は無効と言う事か」
「そう言う事!おじい様は繭を可愛がっていたみたいだし・・・・・でもそれも長くは続かなかったけど」
「どんなに金を持っていても病気には勝てないと言う事だな」
「だね」
金なんて、欲張る物じゃない
だからと言って無くても困る
上手に金は使わないとね
人間じゃなくなってしまうから
「だが、もう和海に会社を継ぐ意思はないのでは?」
「やだな・・・和海がいなくても冬矢がいるじゃない」
「冬矢?」
「燕羽を俺に奪われたんだよ?あのまま黙っているような奴じゃない」
「和海ならわかるが冬矢か・・・」
「俺の思い過ごしならいいんだけどね」
「そうだな」
「てかさ、理事やるの?」
「まぁ・・・色々と楽しめそうだし」
「生徒に手を出すなよ!」
「相手の意思は尊重する」
「思い切り出す気じゃん」
「その頃、お前達は卒業しているだろ?」
「ったく!問題は起こすなよ」
「当たり前だ」
「じゃ、戻るよ」
「ああ」
温室を出て、小走りで寮に向かった
「爆睡だな」
眠ってる燕羽を見つめ、微笑んだ
「お前は俺が綺麗だと言うけど、素直なお前の方が俺よりずっと綺麗なんだぞ」
もしかしてこいつ・・・
自分の可愛さに気付いていないのか?
ベッドに入り、目を閉じた
「んっ・・・翔」
「ん?」
寝言かよっ!!
でも、夢の中でも俺を愛してくれているのか
悪くはないな
「それ、俺のメロン・・・・」
「黙れ!」
軽く蹴とばし、背中を向けた
「あれ、俺寝てた?」
起きたらしい
「翔・・・寝てる・・・じゃ、んふっ」
そう言って、背中に抱き着いて来た
このまま寝たふりをするしか無さそうだ
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