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CAGE5:日常に潜む影2
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ご飯を半分ほど食べて、残りは保存しておくことにした。
それからは立花が最も楽しみにしていた時間だ。
ケーキと、それから買ってきたシャンパンを用意する。
少し奮発した良いシャンパンだ。
そう言えば、とあることを思い出す。
立花と酒を飲むのは初めてだ。
「……なぁ、アンタ酒は強いのか?」
「え?うーん……どうでしょう?僕お酒飲んだことないかもしれません…」
出所する前は未成年。
した後は俺と暮らしているわけだから、俺の前で飲んだことがないのなら初経験だろう。
「……大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。僕だって大人なんですから。」
「…………………」
何だか嫌な予感がする……。
「倉橋さんはお酒強いですよね。」
「……まあ、好んではあまり飲まないがな。」
格好いいです、と上機嫌でグラスへシャンパンを注いでいく。
中身の入ったグラスを手渡され、立花の手の物とグラスの縁を合わせた。
恐る恐ると言った様子でグラスに口をつける立花は、一口それを飲むと頬を綻ばせた。
「美味しいです。とても飲みやすい。」
味をしめた様子で、もう一口流し込んでいく。
それを横目で見ながら俺もグラスに口をつけた。
確かに軽やかな舌触りが良いシャンパンだ。
舌鼓打つ横で、立花はグイグイ飲み干していく。
「……おい、あんまり飲みすぎるなよ?あとで大変な目に合うぞ。」
「大丈夫ですよ。ほら、倉橋さんもたくさん飲んでください。」
空いた先から注がれていくシャンパン。
「ケーキはどちらがいいですか?」
「……どっちでも。アンタが好きな方選んでいい。」
「うーん……そう言われると悩みます………」
並ぶケーキと睨めっ子する表情は真剣そのもので子供のようだ。
「…半分ずつでもいい。」
「本当ですか?じゃあ半分ずつにします。半分食べたら交換しましょう。」
最初に渡された皿にはショートケーキが乗せられていた。
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