アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
5.
-
―コンコン
「はい?」
「俺だ」
「んだよ、ランスキーかよ」
「早く部屋から出てこい」
「はぁ?なんで――」
「ボスがお呼びだ」
「...ま、まじかよ...。今すぐ行く!」
部屋の中ではドタドタドタと音が鳴っていた。途中で「痛てぇ!」と何処かにぶつかったらしいルチアーノが叫んでいた。余程急いでいたのだろう。
―ガチャ
「...。」
「んだよ?」
「いや、すげぇ煩かったなぁと思ってな」
「しょうがねぇだろ!こっちだって色々してたんだよ」
「そうか。というか、服着替えたんだな」
「ん?ああ。だってあれ仕事着だから、返ってきたら着替えんだよ。つか、くせぇだろ」
「へー。ルチアーノでも臭いとか気にするのか」
「はぁ?テメェ喧嘩売ってんのか??って、こんなのんびりしてる暇ねぇだろ!早く行くぞ、ランスキー!」
「...ああ。」
2人は走ってカポネの部屋へ向かった。カポネは結構短気な性格で、呼ばれてすぐに行かないと怒鳴られる。まあ、短気と言うより時間を守らせるという一種の教育だという人もいる。
途中で同僚達とすれ違い「どうしたんだ?」と声をかけられたが、今はいちいち応える暇は無く、一刻も早くカポネのもとへ行かなければならなかった。
―コンコン
「早く入れ」
「「......(やべぇ)」」
声からしてかなりカポネは怒っているようだった。2人はゴクリと生唾を飲んだ。
―ガチャ
「失礼します」
「失礼しマース」
「話は聞いている...」
―ガンッ!!
唐突にカポネが机を叩いた。2人は覚悟していたもののいきなりの大きな音に一瞬ビクッとなった。
「てめぇら何してんだァ!!!」
「す、すみません。俺のせいです!俺が責任取ります」
「...ルチアーノ...?」
「ふぅん。お前が責任取ってくれんのか。じゃあここで死ねって言ったら死ねるのか?」
「...!」
「ちょっ、待ってくださいボス!!これは俺に責任があります!第一この仕事引き受けたのは俺です!だから、俺が...」
「ボス。ちょっとやりすぎっすよ~」
張り詰めた空気の中サコさんが陽気な声をあげた。
「それもそうだな」
「「え?」」
「ふっ、はははは!冗談だ、冗談。本当に死んでもらおうとは思ってねぇよ」
「「...はぁ?」」
「まあ、ブツを取られたままだったらマジでしんでもってた。が、ちゃんとブツを取り返しただろ」
「「はい」」
「ならいい」
2人は呆気に取られていた。これだけの大失敗をしたのに、死ぬ覚悟で来たのにまさか許されると思ったいなかったからだ。
「もうボスは正直じゃないっスね~。正直に『心配したんだぞ』って言えばいいのに〜」
「なっ!!!」
「それにボス2人がブツ取られたって聞いて『あいつら大丈夫か...』って心配してたんッスよ。って、あ!これナイショでした!!」
あははは〜とサコが呑気に笑っている隣でカポネが青筋をたて、拳を握りしめわなわな震えていた。
相当お怒りのようだ。
「サァァァァコォォォォ!!」
「ひ〜!すいません~」
サコはすいませんと怯えた様子で言っているが反省していないようだった。カポネの目を盗み、2人に向かってウインクしたからである。
カポネは何だかんだいって心配性だ。それに、凄く仲間思いである。
サコも皆もそれを分かっているからこのファミリーが好きなのだ。このファミリーの為なら死んでも悔いはないと皆思っていることをカポネは知らない。
それに仲間が死んだ時にカポネが1番悲しんでいることも皆は知らない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 12