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家に着いて2人ともリビングに集まる。
稜『それで、どうしたんだい?』
僕を見てにっこりと笑いながら聞いてくる父。
逃がさないぞと言われているようで顔が引き攣った。
空葉『本当に、なんもなくて…』
稜『空葉、頼むよ。』
真剣な顔でそう言われると、言わないわけにも行かない。
空葉『…僕、お父さんに会いたくなかった。』
とうとう言ってしまった。
稜『嫌い?』
嫌な子だと思われたかな…
空葉『ううん、大好きだよ。
でも…どうしてか分からなくて。
そしたら孝輔さんが取り敢えず迎えに来てもらえって。』
稜『そっか…空葉の嫌なことしてしまったのかな?』
空葉『…違う。』
本当は分かってる、どうしてこんなに悲しい気持ちなのか、お父さんに腹が立つのか。
俯く僕を心配して顔を覗き込んできた。
稜『違うって?』
空葉『僕、最初家に1人になるって分かった時すごく怖かった。ただお父さんは美晴さんの所に行っただけなのに、一人ぼっちになった気がして…嫌で嫌で。だから孝輔さんに連絡して一緒にいてもらったの。お父さんが僕を捨てたって、違うのにそう思っちゃって…胸がぎゅぅっとした。』
ぽたぽたと何粒目か分からない涙を零して、気持ちを明かした。
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