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7. 智治side 出会い
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「そいつ」をみた時、俺はこいつに会うために今まで生きてきたんだと本気で思った。
俺は今までの人生で、面白い楽しいと心から思ったことがなかった。
顔がいいおかげで女には苦労せず、運動もでき、提出物は出さないこともあるが成績も優秀な方だ。
だからか、中学時代はすべてが上手くいっていて
つまらなかった。
高校も同じだろうと思い、入学式もサボってしまおうかと考えていた時に「そいつ」に出会った。
「そいつ」は、学校の自慢だという桜の木を見上げていた。桜の花びらが舞う中、それを愛しそうに見る表情に目が離せなくなった。
友達と話しているときに見せる笑顔とのギャップに更に魅せられ、こんなに綺麗で可愛いやつがこの世に存在することに驚いた。
同時に、もっと色んな顔を見てみたい、その表情に俺が関わっていたいと思った。
俺のことで泣いてほしい。
俺のせいで怒ってほしい。
俺のために悲しんでほしい。
俺のことだけを考えてほしい。
俺と一緒に笑ってほしい。
自分の中にこんな感情があるなんて知らなかった。
あいつのことをもっと知りたい。
あいつのそばにいたい。
その為にはどんなこともしようと思った。
友達が多い方だった俺は、簡単にあいつのことを知れた。
「三谷 尚」
母子家庭のため、部活をせずにバイトをしているらしい。運動神経はそこそこよく、勉強も常に10番以内をキープ。
俺が尚を観察していて気づいたことは、友達が多く、お調子者系だけどよく気を遣え、男女共に人気。
俺はどうやって尚と友達になるかを考えた。
最終目標は恋人になることだが、まずは友達からだろう。
そこで俺は幼馴染である守を頼ることにした。
守は情報通で色々知っているから、尚のことも教えてもらっていた。
「守、今日お前んち行ってもいいか?」
「いいけど、また三谷クン?」
「ああ。」
「もうそろそろ飽きたんだけど。」
「今日は友達になるための口実を考えたい。」
「はぁ…わかったよ。」
なんやかんや守は俺に甘い。
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