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朝。太陽の光が汚れひとつない白いカーテンの隙間から俺の顔に降りかかる。
「……ん」
俺は目をうっすら開けて、上半身を起こす。
そして、広いベッドに腰掛けた。
すると、「みゃぁぉ」と飼い猫のミーヤが足に擦り寄ってくる。
俺はクスッと笑って、ミーヤを抱き上げ、自分の膝に乗せた。
「おはよう、ミーヤ。」
「みゃぁぁ」
可愛い……。
ミーヤの背中を撫でると、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らした。
「……。」
ふと、昨日のことを思い出す。
本当によかった……怒ってなくて……。
俺は一昨日、ショウマを故意に無視した。本当はあの時目が合って手を振ってくれたことが、俺は嬉しくって、俺だって手を振り返したかった。
でも、あの場には叔父様がいたから出来なかったんだ。
叔父様は、今この星を束ねている、いわば王のような存在だ。何より、強い能力を持っているという噂があった。だから、俺ももちろん、誰も逆らうことは出来なかった。
昨日謝った時、俺は人生で初めて頭を下げた。それは、太陽の貴族が一生することは無いはずのものだった。
もし、叔父様がその事を知ったら、きっとショウマに何か罰を下す。
俺の中に、そういう確信があった。
「はぁ……食事会、めんど…。」
今日、昼の食事会には、叔父様はもちろん、お婆様、お爺様、それにお母様にお父様。今回は俺と三つ違いの兄様と、五つ違いの姉様も来る予定だった。
叔父様達は太陽の貴族のルールに従わない者は絶対に許さない。
俺は小さい頃からそのルール、規律を守るように育てられてきた。でも、俺はショウマと出会ってその規律を破ろうと、いやもう既に破っている。
「ミーヤ……俺、やばい。」
「みゃぁぁ……」
ミーヤが俺に頷くようにそう鳴いた。
「なあ、ミーヤ。俺、家族と食事すんのいやだ。ショウマとご飯食べたい。」
ショウマとご飯……ククッ、想像しただけで楽しそうだ。
ショウマは何が好きなんだろ。
うーんと腕を組んで、考えていると、もうそろそろショウマと会うために出かけなければならない時間だと気づいた。
「やっば、俺まだ着替えてないっ!」
そうとなれば、やることはただ一つ。全力で着替えて、全力であの場所へ向かうことだった。
もう少しでショウマに会える……!
そう思って、いつもの裏口から飛び出した。
それを誰かに見られているとも知らずに。
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