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片思いを合わせて…
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どれくらいそうしていただろう。
誰もいない保健室のベッドの上で、
七瀬を抱きしめられながら、ずっと、
七瀬の肩から顔を上げない御船の背中をそっと抱く。
御船はなにも言わない。
ただ黙ってきつく、七瀬を抱きしめてる。
ーーー何だか子供みたいだな。
七瀬は少しおかしくて小さく笑った。
しばらくして、ようやく、
御船が顔を上げた。
瞳が少し潤んでる気がしたけど、
いつも通りの御船の顔だ。
「帰るぞ。」
「え?」
「俺ん家、帰る。」
「え?ちょ、ちょっと待て、今から?だって来たばっかり…。」
「お前な、」
する、と御船の手が頬を撫でてきた。
「俺に修行僧になれって言うつもりか?」
「は?」
「この状況で、我慢できるわけないだろ。」
御船の視線に艶香が急に増した。
不意に、押しつけられた身体で、御船の固くなったモノが当たる。
みるみる真っ赤に染まる七瀬を見て、御船がニヤリと笑った。
「言っとくけど、煽ったのはお前だからな。」
「なっ、なな何でだよ!!お前が勝手に…」
「こんなとこにいきなり来て名前呼ぶなんて誘ってるとしか思えないだろ?」
「どういう理屈だ!!あっ、ちょ…!」
ゆっくり御船の顔が近づいて、また唇が重なる。今度はさっきのような噛みつくキスではなく、優しく溶かすようなキスだった。
「俺となら…、どうなっても良いんだろ?」
七瀬の奥が、思わず疼く。
「……なぁ、七瀬。」
「…っ、」
「抱かせろ。」
口を離し、唇が触れ合う寸前の所で御船が囁く。
それは必死で、欲を押さえつけるような、
熱く官能的な声だった。
ーーーくそ、そんな声でそんな事言われたら…。
何も言えない。
七瀬はもう圧倒されて、
ただ頷く事しか出来ない。
耳元で、御船がクスリと笑う。
ほら、と御船の手が差し出される。
七瀬は黙ってそれを掴み、ゆっくり身体を起こして、御船と二人、来たばかりの学校を後にした。
しっかりと、もう離れないと誓うように、
固く手を握り合いながら。
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