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間違えてました…の巻
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同室者くんと睨み合っていると、その後から少し小さめで目がくりくりとしたカワイイ系の男の子が出てきた。
「綾小路様おはようございます!」
頬をほんのりピンクに染めて、同室者くんを見つめている。
「おはよう、幸也。体はきつくない?」
「は、はい。大丈夫です。」
同室者くんに頭を撫でられ、顔全体が真っ赤になっている。
(なんだこれ。まるで、新婚夫婦の朝の光景を見ているみたいだ。というか、誰?)
「あ、あの〜、君はどちら様?」
小さい男の子に尋ねると、こちらを向いてさっきまでの表情が嘘のようにとても冷めたような目でみてきた。
「今、僕は綾小路様と話してるんだけど。ってか、もう僕に話しかけるなって言ったよね。」
(こぇえ…。このチビさっきと別人じゃねえか。まったく、この学園の坊ちゃんたちはよく分からん。)
「いやぁ、俺記憶喪失になって君のことすら覚えてなくてね。」
「…は?」
チビは驚いたのか、少し目を見開いた。と思ったらすぐにそっぽを向いてしまった。
「う、うざぁ。同室者のこと忘れるとか。…他に怪我はないの?」
「え、あ、うん。大丈夫みたい。」
「あっそ。」
「って、え!?君が同室者!?」
驚く俺に一瞬目をやり、口を開きかけたところで向かいのドアが開いた。中から、いつの間にか制服に着替えた綾小路様(?)が出てきた。
「あっ!綾小路様!もうおかえりになられるのですか?」
「うん、じゃあね、幸也。」
「はい。」
少し寂しそうな表情のまま、入口まで見送る同室者(?)
くん。ドアが閉まり、振り返ったところで目が合ったがすぐそらされた。
「…雨宮幸也(アマミヤユキヤ)。」
「え?」
ポツリと呟かれた言葉に、すぐに反応できなかった。
「だから!雨宮幸也!僕の名前!同室者の名前だよ!ばーか!」
そう言い残し、走って部屋に戻って行った。
(ま、間違えてたのか…。いやでも、名乗ってくれたし、さっきの生意気なやつよりかはまし…か?)
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