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始まり7
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「あ!あのっ!僕!一人で帰れるので!!た、体調も悪くないし!!あの、あの、あの・・・・ごめんなさい」
いつもは出さない大きな声が僕の腹から喉を通り外へと出て行った。視界が歪んで見えたのは、きっと涙を流す寸前。鞄を拾い上げて僕は走って教室を出た瞬間、
「んべっ!」
まさかの何もないところで躓くという失態をおかし、僕は廊下へとうずくまる。我慢していた涙はダムが決壊したかのように大量にあふれ、流れ落ちた。
「うぅ・・・・ぐすっ・・・・」
「源道」
僕の視界は谷中君の上履きをとらえた。笑われる。そう思うことしかできない自分自身が惨めすぎた。だけど谷中君は笑うことはせず静かに僕の両脇に手を滑らせ、軽々と持ち上げたのだ。そして谷中君の膝上へと座らされた。
「・・・・え?」
いくら体格差があるとはいえ、高校生になって誰かの膝上に座るとは思いもしなかったし、ましてや男の人のなんて、思いもしなかったのだ。
そしてこの後、僕は衝撃を受けることとなる。
「源道は猫みたいで、可愛いな」
満面の笑みを浮かべ僕を見る谷中君。その表情に言葉に驚いたおかげか、涙は止まっていた。
「あ・・・・た、たにな、かひゃ!!??」
谷中君は何を思ったのか僕のあご下に手をやり、猫の咽を鳴らすかのように優しくさすってくるのだ。
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