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僕の目につたう涙を見てなのか、彼女こと九重和泉は困惑し、また谷中君を怒っていた。
違う・・・僕の涙の意味・・・・いやいやでしていた訳じゃない。僕以外にもこういうことをしているんだと思うと。苦しくて仕方がない。僕だけが特別じゃないんだ。
「あ・・・・ぼ、僕、帰る・・・・」
「郁!!」
「ちょっ!隆は近づくな!!」
心配そうに僕を見る谷中君。
君が本当に猫が大好きなのは分かったけど、猫の代わりをしてくれるのは誰でもよかった。
たまたま、僕がそこにいて、弱くて小さくて人から頼まれたことを断れないやつで・・・・丁度よかったから。
「谷中君・・・・僕にもう連絡しないで、学校でも話しかけてこないで」
「い、郁?え?何言ってんの?さっきのことは謝るから!だからっ」
僕は腕を掴まれそうになり、思い切り振り払った。
「僕のことはほっといてよ!!!」
久しぶりに出した大声は、友達とのさよならするために出されただけの、酷いものとなった。
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