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眠る
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夏樹が2階の寝室に戻ると、コウタは、夏樹がさっき部屋を出た時と全く同じ姿勢で、ぐっすりと眠っていた。
寝返りもうてないくらい疲れたんだろう…。
そう思うと、おかしくて、無防備に眠っているコウタにイタズラをしてやりたくなったが、夏樹にも、そうするだけの気力も体力も、もう残っていない。
思いもかけず、長い夜になり、夏樹も身体が鉛のように重い。
夏樹は、服を脱いでコウタの隣にそっと潜り込むと、コウタを胸に抱き込んで、目を閉じた。
夏樹の腕の中で、夏樹の胸にすり寄るように顔を寄せるコウタを、夏樹はウトウトと遠のく意識の中で優しく抱きしめた。
佑斗のことは、落ち着いてからゆっくり考えればいい。
今は考えたくない。
コウタは…大丈夫だ。
亨さんから、悪意は感じられなかった。
想定していた中の最悪の状況には、きっとならない。
でも、本心も分からなかった。
あの人は、分かりにくい。
そう悪いことではないとしても、やはり、亨さんは何か企んでいる。
そんな気がする。
あぁ… でも、それも、また今度だな。
ここで話すべきじゃない… 亨さんが言っていたのは、そういうことだ。
ここでは話せない…。
ここでは… 話せない…?
コウタに何かあるのか?
夏樹は、昨日ここに来る前に部下から受け取った、コウタの身元調査のファイルを思い出していた。
特に、気になるものはなかったが…。
何か見落としたか?
戻ったら、もう一度見直してみるか。
それにしても… この子の体温は心地良い。
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