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6 文化祭
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「お二人共、どこかに鍵がありますから色々漁って探し出してくださいね、制限時間は5分です!はい、では楽しんでー。」
受付の男の子が扉を閉めた。
外からの光が無くなった室内はだいぶ暗い。
女の子の部屋をコンセプトにしているらしい。
可愛いピンク色らしきベッドやテーブルなどがある。
「よし、探そう。」
「う、うん。ってうわぁあああ!!」
「え、純なに!?」
りゅうの方を見上げると、りゅうの背後にあった人形の顔がこっちを向いた。
「人形!!!後ろ!!!向いた!!!」
「カタコトになってるよ、純。」
りゅうは騒ぐ俺の手を引いてゆっくり歩き出した。
「ほら、純、鍵探さないと。」
「お、おう、分かっ、いやぁああ!!足が!ヒューヒュー!!」
「純、足元に小型扇風機。」
りゅうが指さす方を見ると確かに下に小型扇風機があった。
な、なんだ、、、小賢しいな。
俺は安心して前を向こうとした。
「あ、純、絶対顔あげないで。」
が、りゅうが頭の上に手を置いて阻止した。
え、え、なんで?
「んーっと、目の前に血だらけの女の子がいるから、、かな。」
「うん、わかった絶対顔あげない。」
俺は下を向いたままりゅうが手を引くまま歩いた。
りゅうは手を離しマイペースに部屋の物を漁りだした。
あれ、女の子今どこにいるんだろ。
あ、ダメだ気にしたら終わりだ。
ズズッ、、ズズズ、、
後ろで何かが引きずられる音がする。
「あーあー、りゅうさーん、後ろからなにか音がするんですけどもー。」
「うん、振り向かなければ大丈夫だよ。下を向いてて。」
「そ、そうか。うん、そうだね。」
俺はひたすら下を向いていたのだが、、、、
50組中誰も鍵を見つけられないのはこういうことだと思った。
俺の右足首を冷たい何かが触った。
「え?」
俺が声を上げると同時に、
「あ、ああ、、ああ、、、」
呻き声をあげながら、長い髪が顔にかかって血だらけの服を着た女の人が床を這ってきた。
「ぎぃやぁぁああああああああ!!!!!」
俺は、自分でも知らなかったのだが、、、
どうやら力が強いらしい。
とりあえず叫びながらも手に取ったものを片っ端から投げた。
コップ、カバン、テーブル、そして、、、
りゅう。
「え、え、うお!!!」
俺が手を全力で引っ張ったので、りゅうがバランスを思いっきり崩した。
「あ!!!」
俺はりゅうが倒れるのを阻止しようと手を離さなかった。
が、俺がりゅうを支えれる訳もなく。
俺達は一緒に床に倒れた。
はずなのだが、りゅうの上に俺が何故かいる。
どうやら倒れる時にりゅうも俺を支えようとしたらしく。
まあ所謂、俺がりゅうを跨っているみたいな、、、
「「「きゃーーーーーー!!」」」
俺たちのことをこっそり見ていたのであろう女子達から悲鳴がどこからか上がった。
「ご、ごめん!!!すぐどく!!」
「あ!!!純!上見て!!」
「上?」
俺は上を向いた。
「あああ!!!」
天井に鍵が張り付いていた。
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