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「まあでも 怜衣の気持ちも否定しねえし、やりたいようにやればいいけど。ちょっとは向き合って自分の気持ちに素直になってもいいんじゃねえ? 」
「そうよ〜!
踏み出したら何か変わるかも知れないけど、
何もしなかったら何もないいままよ〜?」
あんだけ怒られながらも調子の良いナオは、新しいドリンクを作りながら入ってきた。
たぶん…というか絶対、自分用だろう。
もう何言っても無駄だと思ったのか、ナオへのお叱りは
舌打ちだけで終わった。
まるで聞こえていないかのような笑顔でドリンクを
飲み始めたナオの心臓は鋼で出来ていると思う。
何もしなかったら何もないまま…か。
そんな事は分かっているし
分かっているからこそ、選択したのも自分だ。
自分の気持ちに素直に…
いやいや、そんな事したら今度こそ仲直り程度じゃ済まなくなる。
いや、別に仲直りするつもりなかったし、そもそも俺は真斗から離れるつもりで一緒会わないつもりでこっちち就職したんだろ。
じゃあ、どうせ離れるつもりで諦めるつもりでいるなら気持ちを伝えても…
いやいやいやいや…
まとまらない感情に耐えるように、グラスを持つ手に力が入る。
あー!もう!どうしたら良いかわかんねえ
真斗の事でまたこんなに悩みたくないのにーーー。
ーーーーーカランカラン
ドアが開く音と、ナオの客を招き入れる声が聞こえた。
「れーいっ ごめん! お待たせ。いこっか?」
後ろから肩に抱きつかれ、嗅ぎ慣れた甘いバニラの香りがする。
好みではないそれも、今は悩み事から引き離してくれるようで、心を落ち着かせてくれた。
グラスに残った酒を 頭で考えていた事を消し去るように 喉に流し込み、千晃に会計を伝える。
そのまま いつものように腕を絡めて歩くナギと一緒に
バーを後にした。
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