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ひねくれ者の、
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「二葉、こっち!」
「悪い、待たせた」
「いや、俺もさっき着いたところだから」
ニコリと爽やかに笑う小森
相変わらず持てそうだな…
大学付近のファミレスで俺は小森と待ち合わせをしていた。
「話がある」と小森からメッセージを受け取ったのは数日前
お互い会える日を調整していたら少し経ってしまった。
あの日から今日まで、金井からの連絡は無い。
「とりあえずなんか頼む?」
「あ、あぁ。そうだな、そういえば飯食ってないな」
「二葉ってそういうとこあるよね、大学でもお昼おにぎりばっかだし」
「そんなに食に興味ないからな」
呼び出しボタンを押して店員を呼ぶ
「あ、悪い。押した」
「いいよ、すぐ決めるから」
小森の確認をせずに押してしまい少し焦るが、笑顔で返されてほっとする。
すぐに店員の女性が来る
俺は適当にランチメニューの中からおすすめと書いてあったペペロンチーノを頼む
小森は少し悩んで同じランチメニューのカルボナーラを笑顔で頼んでいた
店員の女性はその笑顔に頬を赤らめて小森を見る
噛みそうになりながらメニューの確認をして足早に席を離れていった。
…やっぱりモテるよな
「あの子、二葉のことすっごい見てたよね」
「は?お前のことの方が見てたぞ」
「無自覚ってほんと怖い」
「??」
しばらくしてメニューが運ばれてくる
冷めないうちにと食べ始めたはいいが、そもそも今日は話をしに来たのに飯なんか食ってどうする
まあでも、小森といるのは結構楽だからいいけど
「はあ、食べた」
「…意外と食べるんだな」
「これでも高校の時は運動部だからね」
小森はペロリとカルボナーラを完食し、その後ハンバーグステーキとライスを追加で注文し食べていた。
俺はというと見てるだけでお腹いっぱいになり、自身のを完食するのでいっぱいいっぱいだった。
なんなら小森に少しくらい分けたくらいだ…
「ほんと二葉は少食だね」
「俺だって、食べる時は食べる」
「はは、そんな張り合わなくていいって」
なんとなく負けた気がして張り合ってみようと思うが軽くかわされた。
まあ、食べれないものは仕方ない
「それで、今日呼んだ話って言うのだけど」
「あ、あぁ。」
笑っていたかと思えば途端に真面目な顔をするものだから少し面食らってしまう。
本題はそれだった、
「二葉って新木と付き合ってるの?」
「は?」
「いや、俺はてっきり翔太とそういう関係だと思ってたんだけど…「ちょっと待て、」ん?」
新木、と付き合ってるの?って、
なんでだ?いや、そもそも金井と付き合って…?
思考が上手く回らなくなり必死に整理しようと頭を働かせる
「新木とって、」
「あれ?前見たの新木じゃなかったかな、新木上総。俺と翔太と同じ高校だったやつ」
そうか、そういえば小森は中学から一緒だし新木のことを知ってても不思議じゃないのか
でも、だからってなんで新木と付き合ってるって…
「なんでそう思うかって?」
「っ、」
「そんな怖がらないで、別に俺になにかしようと思う気は無いから。ただ知りたいだけ。って、話がそれたね。飲みの帰り道でさ、カフェの路地裏?って言うのかな、新木と抱き合ってなかった?」
「は、」
「いや、まあ道端でならあいつ元々スキンシップ激しめのやつだから酔った勢いとかだと思ったんだけど、路地だったからそうなのかなって」
「…」
あの、時か。
バイトが終わってすぐ新木に飲みに誘われて、従業員口がある路地で抱きつかれたっけ
それを小森に見られていてそう勘違いしたってことか
「それは、ただ、新木に抱きつかれた、だけ。付き合ってない」
ハッキリ言えばいいだけなのに冷や汗が止まらない。
「あ、そうなの?じゃあ、あれわざとか」
「?」
「俺と目が合ってすげー楽しそうに笑ってたから。まあ、どうせ翔太への嫌がらせのつもりだったんだろうね」
さすが小森、金井と新木の関係もちゃんと理解しているらしくすぐに最適解を出した。
「じゃあ、翔太とは?」
「っ、」
「まあ、その反応を見ればわかるけどね」
苦笑を浮かべる小森に俺はどう言い訳をしようか、そればかりを考えていた。
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