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除夜の鐘を聞きながら…
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タケルは高支那の背を見つめながら、無言で後をついていく。
リビングに戻ると、そこには意外なものがコタツの上に置かれていた。
それは――湯気の立つ年越し蕎麦だった。
「早く食べろ」
どうやら高支那は、タケルが洗面所に入っている間にそれを作っていたらしい。
なかなか戻らないタケルを心配して顔を覗かせたようだ。
――その時、ちょうど除夜の鐘も鳴り始めた。
何が夢で何が現実なのか、もうタケルの頭では上手く考えることが出来なかった。
ただ、なぜか安心したのか、それとも何年ぶりかの年越し蕎麦に懐かしさを覚えたのか、タケルは呆然と突っ立ったまま、その目には僅かに涙を滲ませていた。
高支那はその様子を黙って見つめた後…
そっとタケルにキスをした。
タケルは目を閉じ、それを素直に受け入れたのだった…。
もうすぐ
新しい年が始まる…
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