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訪問者 ー清四郎ー
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会社を休んで二日目。
今日も会社へ行こうとしたら秀に止められた。
大人しく家で休むことにすると、秀が俺を気にしてそばにいてくれる。
「寝てなくて大丈夫??」
「寝飽きた。
映画でも見るか??」
「あ、うん…。」
最近、不自然な距離があったがそれがちょっとずつ埋まっていく気がした。
怪我の巧妙とでもいうのだろうか。
自然とそばに来てくれる。
手の届くところにいてくれる。
何があったのかはわからないが、それも落ち着いてから聞こう。
ピーンポーン
夕方、二人で本日2本目の映画を見終えたところに、家のチャイムがなった。
「誰だろ…。
俺出てくる。」
秀はドアフォンを確認しに行くと一言二言訪問者と話してからドアへ向かった。
宅配かと思ったがリビングに向かってくる足音が秀以外にもあったのでドアの方を見る。
「おつー。」
「なんだ、和也か。」
「なんだとはなんだよ!!!
せっかく来てやったのにー!!!」
「まぁまぁ。
和也さん座ってください。
コーヒーでいいですか??」
「ありがとう、秀君。
いい奥さんだねー。」
和也は俺の座るソファーに腰をかけた。
「珍しく清四郎が会社休んでるから、弱ってる顔を拝みに来てやったのによー。
元気そうじゃん。」
「昨日は1日寝てたからな。」
秀は手際よく3人分のコーヒーを淹れて戻ってきた。
床にクッションを敷いて自分はその上に座った。
「秀君はホントに可愛いねー。
あの女とは大違い。」
「あの女………??」
「おい、和也。」
「え、お前、秀君に言ってないの??」
「言わねーよ、わざわざ。」
秀は不安そうな顔をして、俺を見つめている。
やっと不自然な距離がなくなりかけてたのに、和也のやつは余計なことを。
「今日、あの女来るかもよ。」
「は??」
「あの女に今日も清四郎が休みだって言ったら、お見舞いに行かなくちゃって言ってたからな。」
「ここの住所は知らねぇだろ。」
「お前ねー、そんなのいくらでも調べればわかるから。
だから、俺が来て教えてやってんでしょーが。」
そういう和也の顔を見る限り、冗談ではなさそうだ。
めんどくさい女に捕まったという自覚はあったが、ここまでとは…。
秀は先ほどより不安そうな顔をしている。
変な誤解は避けたいのだが。
ピーンポーン
再びのチャイムに一瞬空気が冷たくなる。
「ほーら、噂をすればなんとやらだ。」
和也がニタニタと不気味な笑みを浮かべる。
秀が俺が出るといっても立ち上がったため、慌てて和也と二人で止めた。
ここは出ないで大人しくしていた方がいい。
しかし、チャイムがなりやむ気配がない、それどころかチャイムが壊れるんじゃないかというほどだ。
「あ"ー、くっそうぜぇ。」
俺はしびれを切らして玄関へと向かった。
するとドアの向こうではすでにあの女の声がした。
どうやら、エントランスのセキュリティを上手く抜けてきたらしい。
「清四郎様ぁーっ。
お見舞いに参りましたーっ。」
人ん家のドアの前で叫ぶのはやめていただきたい。
なんて非常識な人間だ。
まぁ、今に始まったことじゃねぇか。
ドアの鍵を開けると、相手が勝手にドアを開けた。
目の前には相変わらず臭い香水を付けたあの女。
「清四郎様////」
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