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11-② 大神正也
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きっとあのソフトクリーム屋にも彼女と行って、俺と行った時の記憶なんて全部上書きされるのだろう。
俺は、1人になるのか。
なんて余計なことを考えるのがここ最近の日課になっている。
「まだヤってないん?えーせっかく彼女いるのにもったいないな。」
「もったいないもクソもあるか。」
「大事にしてるんやなぁ彼女サン。」
そんなこんなで名前も知らないクラスメイトとどうでもいい話をしながら蓮南とどう話をしようかと考えているうちに。
蓮南に対するこの気持ちが頭の片隅で何故だか引っかかって。
引っかかったあげくもやもやした感情が出てきてしまった。
なんだ?
何か間違ってるのか?
辿り着くべき答えとなにか違う気がして、いくつかの仮定を出してみる。
例えばこの蓮南に対して芽生えているこの気持ちの正体。
俺の推測では、実影を真っ向から裏切る感情であると思っている。
しかし、だ。
恋愛感情とかの類じゃなくて、もしやただの独占欲とか嫉妬とかだったとしたら?
ほら、仲のいい友達を他の子に取られてぼっちになった時のあれ的な。
「太陽くん?どしたん?」
「………。」
あー。
あーそうかも。
なんだ。
俺べつに蓮南のこと好きなわけじゃないのか。
「……やっと腑に落ちた。」
「何のことや?」
「いや、こっちの話。」
もし好きだったら「なんで恋人は俺じゃないのか」って思うよな。
なんだ。
ただの嫉妬じゃねぇか。
「なにニヤニヤしとるんや太陽くーん。まさか彼女とのあんなコトやこんなコト思い出したんかー?見かけによらず変態やなぁ。」
「ちげぇよ黙れ。てかお前誰?」
こいつのお陰ではないが、自分の中できちんと気持ちの整理がついた。
断じて、こいつのお陰ではない。
「酷っ!クラスメイトなのにまだ名前覚えられてないなんて!ひどいわ太陽きゅんっ!まさこ泣いちゃうっ!」
「まさこね。はいはい。」
「ごめんなさいまさやです!まさこちゃうねん!大神正也。えーと今更だけどよろしくな?」
「よろしくされたくない。」
「ひどない!?えぇ……。」
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