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出勤
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「じゃあもう行くな」
「はや。飯だけ食いに来たの?」
「悪いか」
「まぁ、効率は良くねぇな」
…こいつ。
こういう返し方をされる事は少ない
大体は自分に向けられた気持ちと態度なのだと良くも悪くも想像するから。
少なくとも、今までの相手はそうだった。
けど、律にはそういう考えは無いのだろう
昨日倒れるように眠って、それから目を覚ます前に家を出たから、どんな様子か心配で見に来たとかそんな可能性、はなから無いのだと思う
ぽかん、とする律が何だか可愛くてぷにぷにしそうな頬を指で撫でれば、ぷくっと膨らまされた
何だそれ。
サービスか?可愛い。
不満気な律に苦笑して手を離す
「帰りは7時頃」
「分かった」
「何かあればメールしろよ」
「はいはーい」
分かってんのか?
俺は心配してんだぞ。結構本気で。
「紘。行ってきますのちゅーは?」
「そんなのねぇよ」
「えー、無し?」
「1回もしたこと無いだろ。」
「そうだっけ?
俺はしたい気分なんだけど」
「…ほんと気分屋」
キスしたいとか言う割にソファに寄りかかったりスマホ弄ったり欠伸したり。
ちょこまか動く律の顎をクイ、あげる
「ふはっ、してくれんの?」
「笑ってんなよ」
チュ。と触れるだけのキスをする
それだけでも律の体温と存在を近くに感じて、好きだ、なんて思ってしまう
「んじゃ、いってらー」
さっぱりしてんな。
「行ってくる」
思っていたよりも落ち着いていた律にほっとしつつ、午後の仕事を片付ける為にまた会社へと向かった
俺が帰るまで、パニックになったり怯えたりすることが無いようにと思いながら。
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