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高揚
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「しょうがねぇな
ポトフ好きなんだな。作ってやる」
正直、好きかどうかなんて知らない。
食べてる姿を見たこともない。
好きと言っていた訳でもない。
けど好感触だった面接にテンションを上げた俺は1人でぶつぶついいながら夕飯を作っていた
「味付けは薄め?濃いめ?
わかった、普通めな」
はたからみたらヤバすぎる
何一人で自問自答して料理つくってんだ。
そうは思うものの。
「人参は小さく切る
あんまでけぇと存在感やべーからな
だろ?だと思った」
テンションが高いとどうにも独り言を抑えられない
気づくと声に出てた
ポトフと卵焼きと炒飯。
バランスとか食べ合わせなんてもちろん考えていない
キッチンに立ちながら作りたくなったものを作っていった
「よし、完璧。」
食べ合わせについては何も言わないが、一つ一つの料理は結構ハイクオリティーにできた
テーブルに箸や飲み物まで運んでもう準備万端。
でも。紘がいつ帰ってくるのかは知らない
ただ勝手に作って、勝手にテーブルにまで運んだ
「ポトフが待ってるぞー…」
大きめの独り言を玄関に向かって投げかけたとき、タイミングよく扉の開く音と「ただいま」という声が聞こえてきた
さすが。
ナイスタイミング。
リビングの扉が静かに開けられる
「おかえり、紘。」
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