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4、出逢罠②
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「はぁ?何言ってんのさ!堕天使を逃す訳ないでしょ?」
最初に口を開いたのは1番背が低く、サラサラとしたピンクの髪とぱっちりとした赤い瞳の少年だった。
薄い赤をモチーフとした和風な装いをしていて、胸元には桜の飾りがついていた。
その手には赤く光る鎌を持っている。
(やっぱり…)
悪い予感は的中してしまったようだ。
「あのっ…!」
誤解を解こうと急いで声を荒らげる。
はっきり言えば人間がとても怖かった。
初めての対面ということもあるが、1番は天使も人間も成が似ていることだった。
天界にいた時の嫌な思い出が蘇りそうになる。
そんなとき、声を上げたのはピンクの髪の少年の隣にいた青年だった。
「どうしますか、兄さん。何か言いたそうですが…」
結われた茶色い髪から覗くピンクの双眸。
ピンクをモチーフとした和装に桜の花をモチーフにした帯のついた装いをしている。
彼の手には数枚の紙が握られており、恐らくあの紙のせいで拘束されている。
「あぁ?」
”兄様”と呼ばれた男が不機嫌そうに返事をする。
太陽の光に照らされキラキラと眩しく光る金髪。
こちらを不機嫌そうに見つめる赤い瞳。
赤と黒をモチーフにしたこちらもまた和装に桜の花をモチーフにした飾りを帯に刺している。
手には赤く光る剣を持っていて、今にも切りかかろうとする勢いだった。
「そんなの、帰ってから聞きゃいいだろ。おい、玲桜。それまでこいつを拘束しとけ。うるさそうだから口も塞いどけ。」
それだけを告げるとたったと歩いて行ってしまう。
「了解。」
玲桜と呼ばれた茶髪の青年がこちらに視線を写す。
「ちょっとごめんね。」
そう言って持っていた紙になにやら囁きかけた。
(呪符…かな)
堕天使狩りの一族に間違えは無いだろうが、あまり堕天使狩りの一族についての知識がない。
何かを囁かれた紙からまた糸がでてくる。
その糸は僕の体に巻き付き、口元にもやってきた。
「美咲桜、運ぶの手伝って。」
「はぁーい。」
”美咲桜”が少年の名なのだろう。
少年はこちらに近づいてきて軽々と担ぎ上げた。
「さぁ、行くよ。」
青年が歩くと少年も歩き始めるのだった。
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