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恥ずかしくても
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彼氏、なんだよな…。
今更花が恋人である事を自覚する。
付き合っても普段とそんな変わらなかったし、ちょっと過保護が増したくらいにしか思って無かった。
ちゃんと意識した事なんてほぼほぼ無い。
「あ、の、花…。」
「ん?」
「俺達…ちゃんと…こ、恋人だよね…?」
「今更だなぁ、あはは。」
「しっかり答えて!」
「はいはい。俺達は正真正銘のカップルです。俺は虎くんの彼氏で、虎くんも俺の彼氏です。」
しっかり言葉にされて余計に恥ずかしくなるがほっとする。
「キスー。」
「わ、分かってる…。」
オロオロしながらも不器用に唇をくっつける。
唇を離すと花は目を開けて嬉しそうに俺を見た。
「不安になっちゃった?俺達が付き合ってるのか。」
「分かんない…。付き合う前と何か変わった事もなかったから…、は、花が恋人だって、そんな意識した事無くて…。」
花は俺の背中を押して自分の胸板に俺の顔を寄せた。
優しく髪を解く様に撫でて、お湯で少し濡れた前髪を後ろに流す。
視界が広がった感じがして、花の顔がよりよく見えた。
「いいんじゃないかな、それでも。」
「そう、なのかな…。」
「うん。いきなり恋人らしくしなくても、俺達には俺達のペースがあるし。それにいつだって初心忘るべからずって言うじゃん?」
俺達のペース。
そっか、ゆっくりでいいんだ。これでいいんだ。
花の言葉に安堵して彼の体に寄りかかる。
「…ありがとう。」
「どういたしまして。」
花は軽く俺の額にキスをして、ゆっくりと温泉を堪能する。
何か頭がどんどんぼーっとしてきて少し苦しくなってくる。
「は、な…。」
「ん?…って虎くん!」
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