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可愛いヴァンパイア
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俺の休憩時間になり、剣と交代で花と教室を出た。
「可愛いね、ヴァンパイア虎くん。」
「そうかな…。」
花のヤンキー姿もかっこいい。
口の端にある血のメイクがより不良感を出していて凄く雰囲気がある。
「花もか、かっこいい…よ。」
「!!嬉しい!」
せっかく2人でいるのに触れる事ができなくてもどかしくなる。
「あの、は「花斗くーん!」」
花に声をかけようとしたら途中で知らない女の子の声が割り込む。
「うわ…。しつこ…。」
珍しく人に分かりやすい悪態をつく花。
彼の目線の先にはゆるふわ系の女の子が小走りしていた。
「もー!どこ行ってたの?」
「どこ行こうが俺の勝手じゃん桃太郎ちゃん。」
「コモモだってば!」
花の腕を掴み、胸を当てる『コモモ』さん。
「お友達?」
きゅるんとした大きな目が俺を写す。
思考が追いつかなくて花とコモモさんを見た。
「あ、えっと…。」
「俺ら今回ってるんだけど。空気呼んでよ。」
「えー!」
ぐいぐいと腕を引っ張る彼女に嫌悪感と悲しみが込み上げる。
やめて。触らないで。近寄らないで。
「虎く「虎くんって言うんだ!私コモモ!将来の花斗くんの彼女でーす!」
ズキッとナイフで刺される様な痛みが胸に広がる。
将来の…彼女…?
「おい、何勝手に「そんな事より!来て欲しい所あるの。行こ!」
何だよ。何でこんなの見せられてるの。
「あ、虎くん。花斗くん借りてくね!」
「お前…!!」
「うん。」
「…え?」
見たくない。知りたくない。
この場からいなくなりたい。
その衝動からつい言葉に出た。
「いいよ。そのまま帰っても。」
「ちょ、虎く「ほんとに!?ごめんね!」
「俺、1人で回るから。」
作り笑顔ってこんなキツいんだ。
俺はいっぱいいっぱいになって逃げる様にその場から立ち去った。
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