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怒ってないよ
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「あっ…。」
反射で叩いてしまった。
慌てて花と視線を合わせる。
「…!!」
何で、何でお前が…。
「虎…くん…。」
何で、花がそんな傷ついた顔してんだよ。
「は、花…。」
花は俯いて、ボソボソと声を出す。
「ごめん…ごめんなさい。虎くん。でも、でもお願いだから…。」
俺を捨てないで、虎くん。
「お、おい、花…?」
「俺、虎くんがいなくなったら…、いなくなったら…!!」
瞳を潤ませ縋る様に彼は俺に言う。
そもそも捨てる気も無いし、いなくなる気も無い。
でも何で花は俺にここまで執着するんだろう。
「花斗!」
「っ!」
「とりあえず落ち着いて!」
花はピタリと黙り、また悲しそうな顔した。
「…俺が怒ってたのは、その、コモモっていう人に対して怒ってただけ。す、好きな人がベタベタ触られてたら、嫌、だろ…。」
「…うん。」
「悲しかったのは、花が…、花がちゃんと拒否しなかったから…。将来の彼女とか言われたら、俺はどうしようもない。遊びだったのかなって、思った…。」
「違うよ!俺は、俺は虎くんだけだよ!」
必死で挽回しようとする花にため息をつく。
さっき晶子ちゃんが花に拳で語ってくれたおかげで、もうそこまで怒ってはいない。
それに花も結構反省してるみたいだし、『俺を捨てないで』なんて言われたら遊びで付き合っているとも思えない。
それでもう充分だった。
「もういいよ。もう怒ってない。」
「虎くん…。」
「つ、次は無いからね。」
「うん。約束する!次こんな事したら俺死ぬから!」
「待て待て待てそういう意味じゃない。」
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