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死神先生、会合に呼ばれる【終】
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日が沈みかけたころ、屋敷にブラッドと死神先生が戻ってきた。
牛頭が頭を下げ、出迎える。
「お帰りなさいませ」
「ん、ただいま。…2人はどうだった?」
「とても仲良くしておいででした。クロ様もすっかり懐いていらっしゃいます」
「…良かった」
始めは心配だった死神先生も、安堵のため息をもらす。牛頭がダイニングキッチンの扉を開けると、ソファーで肩を寄せあって眠る2人がいた。
「へぇ、本当に仲良くなったんだね。クロがここまで警戒心を解くなんて」
ブラッドは少し拗ねたように言った。
「血まみれ先生、今日はありがとうございました」
「いーえ、良いんですよ!またいつでもいらしてください。私たちが仕事の間もここに来てもらって構いませんから」
「…助かります。私の家に居るだけなんてのも、可哀想でしたから」
そう言って、死神先生はコハクに手を向けた。死神先生の手から発せられた黒い霧のようなものがコハクだけを包み、2人を起こさないようにコハクを持ち上げる。
そして自身の腕にコハクを収めると、血まみれ先生と牛頭に会釈して部屋を出た。
玄関まで2人が見送りに来てくれ、死神先生は暖かい気持ちになった。
もう辺りは真っ暗である。
「それでは、また」
「はい。おやすみなさい」
死神先生を見送ったブラッドは緊張が解れたように息を吐くと、牛頭と共に屋敷の中へと戻った。
ブラッドは、まだ1人で寝ているクロの横に腰掛けると、クロの頭を優しく撫でた。
「…そろそろ起こすかな」
牛頭はブラッドの様子を見て、いつも思うことがある。ブラッドとクロは、似た者同士であると。なぜならどちらも、牛頭から見ればお互い素直になれない所があるからだ。と思うのも、以前ブラッドが机で突っ伏して寝ているのを、クロがこっそり近づいて頭を撫でていた所を見たからでもあった。
「クロ、ほら、起きて」
「…ん…あと5分…」
「ご飯に媚薬混ぜるよ」
「あー!すっげぇ目覚めた!」
牛頭は2人のやり取りを見て、思わず笑った。
「さてと、牛頭が帰っちゃう前にご飯にしようか」
「ん、腹減った」
「すぐに食べられますよ」
3人は、いつもの席に腰掛けた。
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